“調湿”とは?住環境にもたらす効果やおすすめ建材を解説
皆さんは、ご自宅の「調湿性」について考えたことはありますか?
湿度は目に見えないものなので、ついその存在や重要性を忘れてしまうかもしれませんが、快適・健康な生活を営むためには重要なポイントです。
そこで、今回は「調湿」の重要性や、調湿性の高いおすすめ建材を紹介します。
新築住宅のインテリアをご検討中の方はもちろん、今のお住まいをリノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
●自然素材の持つ調湿性を活かせるインテリアを検討するのがおすすめです。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識と経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
“調湿”とは?なぜ必要なの?
調湿とは、「湿度を調節する」つまり、湿気が高い時には水分を吸収して抱え込み、乾燥している時にはそれを放出する仕組みを指します。
建築においては、室内の湿度を一定に保つ効果を言い、生活環境を良好に保つためには欠かせません。
では、湿度が高すぎる・低すぎるとどのような弊害があるのでしょうか?
【室内の湿度が低すぎる】
- ・口や鼻などの粘膜が乾燥して身体の防御機能を低下させ、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなる
- ・皮膚や粘膜から水分が蒸発してしまい、気付かぬうちに脱水症状を引き起こしてしまう
- ・皮膚が乾燥して、痒みやアトピーなどの原因となる
- ・静電気が起こりやすくなり、火災リスクが高まる
- ・無垢材などの素材が反ったり、収縮したりして、割れてしまうことがある
【室内の湿度が高すぎる】
- ・体の発汗作用が機能せず、代謝が悪くなって、頭痛や肩こり、倦怠感を引き起こす
- ・自律神経の乱れにつながる
- ・カビやダニが発生しやすくなる
- ・木材が腐朽しやすくなりシロアリが活発化するため、家の寿命に関わる
室内における快適な湿度は、40〜60%程度とされており、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:建築物衛生法)」では、室内相対湿度を40〜70%に保たなくてはいけないと定められています。
湿度が40%以下になるとウイルスの水分が軽くなりのエアロゾロ化が進み、空中に浮遊する飛沫の量が増えて感染リスクが高まりますし、60%を超えるとカビやダニの発生が始まり、70%以上になればシロアリにとって快適な環境が整ってしまいます。
また、木材が腐る原因となる木材腐朽菌は、大気中の湿度が高まって木材の含水率が20%を超え、気温が30℃近くになれば、繁殖が一気に進んで、家に深刻な問題をもたらしかねません。
つまり、室内で人が快適に暮らすためだけではなく、家の寿命を延ばすためにも、“調湿”はとても重要なのです。
室内を調湿する方法は?
では、室内を人にとっても家にとっても快適な湿度に保つためには、どのような方法があるのでしょうか?
除湿・加湿には以下のような方法を思い浮かべる方が多いでしょう。
【室内を除湿する】
- ・こまめに換気する
- ・除湿機を使う
- ・特に湿気の気になるところに除湿剤を置く
【室内を加湿する】
- ・加湿器を使う
- ・洗濯物を部屋に干す
- ・霧吹きでこまめに加湿する
最も効果を継続しやすいのは、「調湿機能」をもつ建築材料を使うことです。
機器などを使って調湿することも間違いではありませんが、能動的かつこまめに室内の湿度をチェックして、都度対応を変えなくてはいけない面倒さがあります。
また、季節によっては一日中除湿器・加湿器を稼働させ続けなくてはならず、光熱費が気になる方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが、調湿機能をもつ建築材料をインテリアに取り入れる方法です。
空気環境に応じて自然と調湿してくれるため、住まい手が意識せずとも快適な湿度に保たれます。
ただし、使う材料や施工面積によって効果は異なりますので、梅雨時期や真冬の乾燥時期に適宜除湿器・加湿器で補うのもおすすめです。
住まいのプロがおすすめする“調湿”建材7選
建築材料そのものに調湿機能があれば、住んでいる人が気付かぬうちに室内湿度が快適な状態に保たれます。
特に、自然素材の調湿機能は高く、湿度の面でオーガニックな材料を選ぶという方も少なくありません。
そこで、ここでは調湿機能の高い自然素材を7つ紹介します。
●天然木材(床・壁・天井・造作家具など)
天然木材は、自然素材の中でも特に調湿性が高い素材です。
木材は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用をもっています。このため、木材を建物の内装などにたくさん使うと、部屋の中の湿度の変動は小さくなります。
(引用:林野庁)
床はもちろん、最近は壁や天井を板張りにする事例も人気です。
また、無垢材を使った造作家具や造作建具も併せて採用すれば、インテリア全体で室内を調湿できます。
私たち“フォレストブレス”は、1934年創業の木材会社として、今まで培った知識と経験を活かし、良質な国産材にこだわった家づくりを行なっています。
●漆喰材
漆喰とは、消石灰を主成分とする塗り壁材で、日本では古くから寺院や城郭、民家の蔵などに用いられてきました。
消石灰には、無数の細かな穴がたくさん開いているため、その多孔質な表面で水分を吸着・放出できるのです。
ただし、従来の石膏ボードを使った壁下地ですと、どうしても調湿作用は表面に塗られた漆喰だけでカバーしなくてはならないため、大きな効果は得られません。
仕上げを漆喰材にする場合は、併せて壁下地材の素材にも調湿性があるものを採用しましょう。
●シラス材・珪藻土材
火山から噴出したマグマが固まった高純度無機質セラミック物質である「シラス」や、植物プランクトンの殻が沈殿して化石になった「珪藻土」も、漆喰と同様に多孔質な構造をしているため、高い調湿性を持ちます。
漆喰は空気中の二酸化炭素と反応して徐々に硬くなり調湿機能が低下するのに対して、シラス材や珪藻土材は空気中の物質には反応しないため、効果が比較的持続します。
〈関連コラム〉
【体に優しい自然素材】シラス壁とは?効果やメリット・デメリットを解説
●土壁
土壁には、大容量の吸湿機能と、透湿性、さらに蓄熱性があります。
少々施工手間やコストはかかりますが、漆喰仕上げとも相性が良く、空気中の湿気にもすぐ反応するため、あらためてそのメリットに注目が集まっています。
また、耐火性に優れており、火災時も有害な化学物質が発生せず、高い熱でも発火しにくい特性を持つ点もポイントです。
〈おすすめコラム〉
●木炭調湿材
室内の調湿も重要ですが、同じく忘れてはいけないのが、床下です。
地中からの湿気が篭りやすく、何も処理しなければ、土台などの主要な構造体を腐らせてしまったり、シロアリによる虫害も避けられません。
そこでおすすめなのが、木炭由来の床下調湿材です。
住宅の床下に敷設すると、梅雨期等に床下の湿度及び木材の含水率が高まるのを緩和し、木材の腐朽を防ぎます。また、室内等を適切な湿度に保つことによって、カビの発生を防ぎ、それをエサとする微生物やシロアリの被害を防ぐことになります。
(引用:林野庁|木炭の新たな用途)
湿度を調節するだけではなく、材料によっては遠赤外線による断熱効果や、シックハウス症候群の原因となる化学物質を吸着する機能を持つものもあります。
●セルロースファイバー・羊毛断熱材
セルロースファイバーは新聞古紙からリサイクル生産される環境配慮型断熱材で、木質繊維の持つ調湿性と断熱性を兼ね備えています。
また、羊毛断熱材は、調湿・消臭・吸音に優れており、どちらもホルムアルデヒドなど化学物質を吸着・無害化してくれる効果が期待できる点もメリットです。
私たち“フォレストブレス”は、住まいに以下の材料は使いません。
- 化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
- 防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
- ビニールクロス・廃棄時有害なもの
「呼吸が深くなる家」を目指して、お客さまに快適なオーガニック住宅をご提供しています。
〈おすすめコラム〉
国産木材で住宅を建てるメリット・デメリット|国産材は本当に価格が高い?
自然素材の家でこだわりの注文住宅を|メリット・デメリットや実例を紹介
まとめ
快適な住まいと聞くと、内装や間取り、設備などを連想するかもしれませんが、忘れてはいけないのが「湿度」です。
湿度次第で、健康的な生活を脅かされる可能性は否めませんし、家の寿命を縮めてしまう恐れすらあります。
「調湿性が高い家を建てたい」
そんな方は、ぜひ私たち“フォレストブレス”へご相談ください。
1934年に木材会社として創業して以来培った知識と経験を活かし、快適で健康的な暮らしが実現できす住まいをご提案いたします。
「小さな家でコトを愉しむくらし」をコンセプトに、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。
「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ
フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。
断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。
自然素材の家に興味がある方、身体に良い家を建てたい方のご相談をお待ちしております。
定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。
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