「平屋」はどうして人気?メリットからデメリットまで徹底解説

平屋のメリット・デメリットは?

 

最近、住宅関連雑誌などでも特集される「平屋」。

名だたる有名建築家も、多くの平屋住宅を設計してきました。

では、なぜたくさんの人から注目されているのでしょうか?

今回は、「平屋」のメリット・デメリットを“住宅のプロ”が詳しく解説します。

私たち“フォレストブレス”の施工事例写真と併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

 

コラムのポイント
●平屋の住宅は、効率的で耐力が高いなどのメリットがあります。
●メリットがある反面、コスト面や防災面などのデメリットもあるため、欠点を十分理解して間取りを検討してください。
私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識・経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします

 

 

 

 

「平屋」とは?どんなメリットがあるの?

シンプルでミニマルな平屋

▷建築実例「漆喰外壁のシンプルな平屋」

 

「平屋」とは、1階建ての住宅のこと。

古くから日本では多く建てられてきましたが、限られた土地でできるだけ広い床面積を確保するために、徐々に2階建て以上の住宅が増えてきた経緯があります。

ところが、最近は「平屋」を建てたいという方が多く、私たち“フォレストブレス”でも何棟も手掛けてきました。

では、なぜ今「平屋」の人気が高まっているのでしょうか?

まずは、メリットについて見てみましょう。

 

 

その①動線が効率的・空間が有効に活用できる

上下移動のための階段が不要なので、生活動線・家事動線がコンパクトに抑えられます。

また、間取り次第では移動のための空間を少なくできるため、限られたスペースをフル活用することも難しくありません。

間取りをご自身で検討する際も、無駄が見つけやすく、満足できる間取りにしやすい点もメリットです。

 

 

その②家族とコミュニケーションが円滑

全ての空間が1階にあるため、意識せずとも家族の気配を感じられます。

「子供がいつ帰宅したかがわからない」ということもなくなるはずです。

家の中心に家族が集う空間を配置すれば、そこを経由して各室へアクセスするような間取りにもできます。

人とのコミュニーケーションが希薄な現代にこそ、平屋がおすすめの住まいと言っても過言ではありません。

 

 

その③耐震性や耐風性が高い

木造の平屋住宅は、耐震性・耐風性に優れています。

その理由は簡単で、「シンプルな構造」と「建物の低さ」です。

シンプルな構造によって、地震力が分散され、局所的なダメージリスクを抑えられますし、建物高さが低いため、地震や強風の力を受けても、揺れにくい性質があります。

また、建物の重さも2階建て以上の住宅と比べると軽いため、液状化現象をはじめとした地盤沈下の影響を抑えられるのです。

 

 

その④2階を支えるための柱・壁がいらない

平屋の事例

▷建築実例「楽しく暮らすシンプルな平屋」

 

2階以上を作る場合、その荷重を支えるための耐力壁や柱を1階に配置しなくてはいけません。

それによって、間取りに制限ができてしまうケースも多いです。

一方、平屋は上からの荷重は屋根のみ。

そのため、必要となる耐力壁や柱を少なくできて、大空間を実現しやすくなります。

 

 

その⑤メンテナンスやリノベーションの費用を抑えやすい

家を持つ限り宿命となるのが、「メンテナンス」。

特に、屋根や外壁などの外回りをお手入れしないと、雨漏りが発生し、柱や梁などの構造部まで劣化させてしまうかもしれません。

しかし、高所をメンテナンスするためには、足場を掛ける必要があります。

平屋ですと、その費用を大幅に削減できるため、その分仕様のグレードを上げて、長持ちさせることもできるでしょう。

 

 

その⑥階段がなくバリアフリー

階段がないということは、室内をバリアフリーにできるということです。

バリアフリーと聞くとご高齢の方やお身体が不自由な方のためと思われがちですが、小さいお子さんの家庭内事故も防げます。

実際に、住宅内で発生する事故の10%以上が階段からの転落・つまづきです。

 

住宅内事故の発生場所

(引用:公益財団法人 長寿科学振興財団

 

上のデータを見てみると、事故を起こしてしまうのは、65歳以上の方とは限らないことが分かります。

家での怪我を防ぎ、将来足腰が不自由になった時を想定して、平屋を選ぶ方も多いです。

 

 

その⑦屋根形状を気にせずに間取りを考えられる

建築基準法(第55条)によって、用途地域ごとに建物の高さ上限を定めています。

例えば、一般的な住宅地が該当する「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」ですと、高さ(屋根の最高高さ)は、都市計画法で定められた10mもしくは12mでなくてはいけません。

さらに、土地の境界線からの距離によって、隣地斜線や道路斜線、北側斜線を越えないように、屋根形状を変えなくてはいえないケースも多いのです。

 

北側斜線とは

(引用:一般社団法人 全日本建築士会

 

しかし、平屋の場合ですと、高さ上限までかなり余裕があり、隣地斜線や道路斜線、北側斜線へ抵触することはありません。

そのため、外観デザインを自由に検討できますし、建物高さを気にせずにスキップフロアやロフトを取り入れたり、天井を高くすることができます。

 

ポイント
建築基準法の高さに関する制限は、2階建て以上を対象としているため、平屋で抵触する可能性がほぼゼロです。
そのため、法規によって建物形状や間取りに影響が出にくいと言って間違いありません。

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「平屋」のデメリットは?建てる際の注意点はある?

シンプルな平屋

▷建築実例「こだわり満載のシンプルな平屋」

 

メリットが注目されることの多い平屋ですが、デメリットがない訳ではありません。

それを知らずに建てると、後悔してしまうかもしれませんので、家の形状を検討する前に、必ず欠点や注意点まで理解することをおすすめします。

では、それぞれ見てみましょう。

 

 

その①広い敷地が必要

平屋で必要な空間を確保するためには、どうしても広い敷地が必要です。

土地に建物が収まればいいという訳ではなく、建蔽率(土地に対する建物の割合)を守らなくてはいけません。

 

建蔽率とは

(引用:国土交通省

 

建蔽率は、用途地域によって異なりますが、住宅用ですと30~80%程度です。

つまり、最も厳しい30%の場合ですと、敷地の1/3までしか建物を建てられないということになります。

必要な間取り以上の土地があればいいという訳ではありませんので、平屋を建てる場合は早めに自治体もしくは施工会社へ建蔽率を確認してください。

 

 

その②工事費用が高くなりやすい

一般的には、同じ床面積の家を建てる費用を平屋と2階建てで比較した場合、平屋の方が10〜20%高くなります。

なぜなら、基礎や屋根の面積が広くなるからです。

ただし、先ほどもお話しした通り、メンテナンスコストを抑えられる可能性が高いため、新築コストだけではなく長期的な費用を想定することをおすすめします。

 

 

その③固定資産税・都市計画税が高くなりがち

不動産を所有する限り永続的に支払わなくてはいけない「固定資産税」と「都市計画税」。

平屋ですと、税額が2階建て以上の住宅と比べて割高になりがちです。

その理由は、同じ床面積の家を建てる際に、平屋の方がたくさんの外壁材などを使うため、資産価値が高いと判断され、さらに土地が広くなるから。

税金は毎年支払わなくてはいけないため、家計の負担にならないかどうか、事前に概算を調べておくことをおすすめします。

 

【固定資産税の目安】
家屋・土地それぞれの課税標準額(公示価格の80%程度)× 1.4%

【都市計画税の目安】
家屋・土地それぞれの課税標準額(公示価格の80%程度)× 0.3%以下(自治体によって異なる)

 

 

その④日当たりや風通しに注意

蔵をモチーフにした平屋

▷建築実例「蔵をモチーフにした家」

 

全ての空間を1フロアにまとめなくてはいけないため、どうしても全ての部屋に日当たり・風通しを確保するのが難しい場合もあります。

その解決方法としては、家の中心部に中庭を設けて“ロの字”型にしたり、“コの字”型にするのがおすすめです。

それでも窓が設けられない場所には、天窓(トップライト)の設置を検討してください。

 

 

その⑤室内外のプライバシーや防犯への配慮が必要

全ての住空間が同じ階にあるため、部屋間や屋外への音漏れが気になる方もいます。

どうしても生活音が漏れ伝わるのが嫌な方は、必要な場所を防音仕様にしなくてはいけません。

そして、屋外からの視線や侵入を防ぐための工夫も必要です。

窓に面格子をつけたり、生垣などで道路からの視線を隠すなど、外部空間も含めた検討をしましょう。

また、防犯面では、侵入経路となり得る場所に、人が隠れられるところを作らないのもポイントです。

見通しが悪い場所は、空き巣などに狙われやすい傾向があります。(参考:警察庁|住まいる防犯110番

 

 

その⑥床上浸水で家全体が水浸しになるリスクも

大きな河川の近くなど、床下・床上浸水のリスクが高いエリアにおいては、平屋にすると万が一の際に室内全ての場所が水浸しになってしまいます。

また、侵入してきた水が膝あたりまでに達すると、思ったように足が動かせずに避難が遅れてしまう危険性が高まる点も無視できません。

しかし、最近増えている2階リビングの家などは、万が一水が侵入してきても最低限の暮らしを継続できますし、万が一大量の水が流れ込んで屋外への避難が難しい場合でも、上階へ逃げる「垂直避難」が可能です。

自治体が公表しているハザードパップなどを参考に、床下・床上浸水のリスクが高いエリアでは、平屋住宅の建設を慎重に検討することをおすすめします。

 

 

その⑦エクステリア計画も大切

平屋は2階建てのように高い場所から眺望を見ることができません。

そのため、お庭の整備などのエクステリア計画がより重要となります。

窓から見える風景を意識して、造園計画などを検討してください。

 

 

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まとめ

平屋建ての住宅は、ゆったりと暮らせて空間をフル活用できるなどのメリットがありますが、それだけで選んでは少々危険です。

コスト面や防災面の欠点・注意点も十分理解した上で、間取りを検討しましょう。

また、土地の形状やエリアによっては、平屋にすることで逆に不便になってしまうことも考えられます。

平屋の新築を検討している方は、施工実績の豊富な会社へ相談してください。

私たち“フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。

「小さな家でコトを愉しむくらし」をコンセプトに、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。

「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ

▷建築実例「偕老の家」

 

フォレストブレスは、「自然素材」と「あつらえ設計」にこだわった高品質な住宅を数多く手掛けています。

“本当に快適な家に住んでほしい”という想いから、家づくりに以下のものを使わないことをお約束します。

 

  • ・化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
  • ・防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
  • ・ビニールクロス・廃棄時有害なもの

 

お客様の住まい方や個性、価値観に寄り添い、“あなただけの住まい”をご提案します。

「呼吸が深くなる家」それこそ私たちが追求する快適なマイホーム。

オーガニックな暮らしを実現したい方は、ぜひご相談ください。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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