板張りの床の特徴とは?フローリングとの違いや施工事例を紹介
自然素材の無垢材を使った板張りの床は、家の中にいても木の温かみを感じる心地よい空間を実現します。
また、肌触りなどの質感も柔らかく、フローリングにはない心地よさも板張りの床の魅力です。
そこで今回は、板張りの床の特徴やフローリングとの違いなどを解説します。
また、実際にお部屋の床を板張りにした施工事例も紹介しますので、家づくりの参考にしていただければ幸いです。
●板張りの床の特徴やデメリットについて解説します。
●一口に板張りと言っても木材の種類によって、質感などに違いがあります。
●板張りの床とフローリングの違いや実際の施工事例を紹介します。
Contents
板張りの床の特徴とは
板張りの床とは、自然素材である無垢材を使った床のことを指します。
板張りの床には自然素材ならではの特徴があるので、一つひとつ見ていきましょう。
天然木のあたたかみを感じる質感
天然木である無垢材は、多孔質であるため内部に空気層があることで熱伝導率が低く、肌に触れたときに冷たさを感じにくいという特徴があります。
このように、板張りの床はデザインだけでなく、実際に触れても暖かい質感が魅力です。
木の香りでリラックスできる
天然の木材には、心理的なリラックス効果はもちろん、体もリラックスさせる作用を持つことが明らかになってきました。
例えば、木材のリラックス効果については、下記のような報告があります
・スギチップの匂い作用により血圧が低下したとの報告があります。
・スギ材から揮発した匂いがストレスを抑制したとの報告があります。
このような、自然素材ならではのリラックス効果も板張りの床の特徴です。
体にやさしい、足ざわりがやわらかい
接着剤を大量に使用した合板と違い、無垢材は体にやさしくシックハウス症候群などのリスクを軽減します。
また、木材には弾力性があるので、足への負担が少ないことも板張りの床の魅力です。
調湿性能に優れている
無垢材には、空気中の水分を吸収・放出する機能があります。
このような無垢材の調湿性により、お部屋の湿度を維持することができ、カビや結露の防止に役立ちます。
木材の木目など唯一無二の豊かな表情を楽しめる
木材の木目の美しさなど唯一無二の豊かな木の個性的な表情を楽しめるのは、自然素材ならではの特徴です。
また、経年変化により木目などの表情が変わるのも板張りの床の魅力です。
このように、無垢材を使った板張りの床には多くのメリットがあります。
下記の記事では、無垢材の家のメリット・デメリットなどを詳しく紹介していますのでぜひごらんください。
>無垢材の家を後悔しないためのポイント|メリット・デメリットからメンテナンス・価格・経年変化まで
板張りの床のデメリット
上述したように魅力的な板張りの床ですが、実際に板張りの床を家づくりに採り入れる際には、いくつかのデメリットがあります。
ここでは、板張りの床のデメリットについて紹介します。
傷がつきやすい・ひび割れや変形などが生じることがある
一般的に木材は、傷がつきやすい素材であると言われていますが、使用する木材の種類によって異なります。
例えば、杉やヒノキなどの針葉樹は柔らかく、ナラやバーチなどは硬いなどの特徴があり、柔らかい木材ほど傷がつきやすいことに注意しましょう。
また、無垢材には調湿性があるので、膨張と縮小を繰り返すことで板が反るなど変型が生じることもあります。
水や湿度に弱い
無垢材は水に弱く、シミになりやすいので、水に濡れたらすぐに乾いた布で拭き取りましょう。
また、木材の含水率が高いと腐りやすく耐久性が低い傾向がありますので、木材を選ぶ際には、しっかりと乾燥させた木を選定することも重要です。
使用する木材により品質が変わる
人工的に加工された材料と違い、天然木は全く同じ木は存在しないので、どうしても品質にムラが出ます。
このような問題を解消するためには、木材の品質を見極めることができる施工会社を選ぶようにしましょう。
経年により変化する
自然素材の無垢材は、経年により色合いや木目の表情が変化します。
例えば、杉材は黄色味が増す、ヒノキは飴色になり光沢が出るなど経年により色合いが変わるという特徴があります。
感じ方は人それぞれなので、このような経年変化を美しいと感じる人もいれば、デメリットと感じる方もいるでしょう。
合板よりもコストが高い
一般的には、合板フローリングよりも無垢材の方がコストが高い傾向があります。
さらに、品質が良い国産無垢材は価格が下がらないと言われています。
このようなデメリットに関しては、独自の仕入れルートを持っている施工会社を選ぶことで解消できます。
このように、板張りの床には注意すべきポイントがありますが、対策を講じることでデメリットを解消することが可能です。
下記の記事では、無垢材のデメリットと対策について詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。
>無垢材のデメリットと対策を“木材選びのプロ”が解説|床・壁・天井・カウンター部位別の注意点
板張りの床とフローリングとの違いは
一般的にフローリングとは、合板フローリングのことを指し、合板とはその名の通り、複数の薄い木板を接着剤で張り合わせたもののことです。
これに対し、板張りは100%天然の木材を使ったフローリングのことを指します。
次に、合板フローリングには下記のようなメリット・デメリットがありますので確認しましょう。
●板張りに比べてコストが安い
●色合いや模様を均一に仕上げることができる
●経年変化が少ない
●多機能な合板もある
●自然素材のメリットを享受できない
●耐用年数が短い(傷がつくと劣化の進行が早まる)
●化学物質が使われている
このように、合板フローリングにはコストが安いなどのメリットもありますが、自然素材ならではのメリットが享受できないことが、板張りの床とフローリングの大きな違いです。
つまり、合板フローリングによりデザイン的にはナチュラルな雰囲気にできますが、本物の天然木がつくり出す質感やリラックス効果などは板張りの床でしか実現できないということです。
板張りの床の種類
板張りの床には、杉が使われることが多いのですが、他にも無垢材の種類があり、それぞれ特徴があります。
ここでは、板張りの床に使われる木材の種類を紹介します。
杉
杉は、適度な柔らかさがあり、断熱性や調湿性にも優れているので床材に使われることが多いです。
木目は直線的な美しさがあります。
ヒノキ
ヒノキは、木材特有の香りが強く、リラックス効果がある床材です。
色は明るめで、経年変化により飴色に変わる傾向があります。
カバ
カバはバーチ材とも言われ、どちらかと言えば硬い質感なので傷などに強い特徴があります。
色は、明るい白黄色で鮮やかな木目が魅力です。
サワラ
サワラは水に対する耐久性が強い木材で、風呂桶などにも使われることがあります。
木目は目立たないのですが、ヒノキよりも柔らかい質感が特徴的です。
床が板張りの部屋の施工事例を紹介
板張りの床には、合板フローリングとは違う自然素材ならではの雰囲気があります。
ここでは、床が板張りの部屋の施工事例を紹介します。
床が板張りの部屋の施工事例|杉
こちらは、杉を使った床が板張りの部屋の施工事例です。
天井にもたっぷりと杉板を使い、木材を使った造作キッチンも素敵です。
床が板張りの部屋の施工事例|カバ
こちらば、床材にカバフローリングを使用した床が板張りの部屋の施工事例です。
杉と比べると、白っぽく明るい色が特徴的です。
床が板張りの部屋の施工事例|サワラ
最後に、サワラを使った床が板張りの部屋の施工事例を紹介します。
床だけでなく、天井にもたっぷりとサワラを使ったお部屋は、他の木材よりもさっぱりとした印象があります。
ここまで、床が板張りの部屋の施工事例を紹介しましたが、床材だけではなく、全体として無垢材を採り入れることでさらに自然素材の良さを引き出すことができます。
下記の記事では、内装だけでなく外壁も板張りにした家を紹介していますのでぜひごらんください。
>外壁が板張りの家|木材の種類、メリット・デメリット、費用など解説
また、フォレストブレスには、ここでは紹介しきれなかった木のぬくもりを感じる床が板張りの部屋の施工事例がたくさんありますので、ぜひごらんください。
板張りの床の掃除方法
ここでは、「板張りの床の掃除はどのようにすればいいの」と不安に思っていらっしゃる方のために、板張りの床の掃除方法について解説します。
日常のお手入れは掃除機がけと乾拭きが基本
まず、掃除機がけですが、杉やヒノキなど柔らかい木材はガシガシと掃除機をかけると傷がつく原因となりますので、気をつけましょう。
そして、隙間に埃が溜まっている場合には、爪楊枝などで掻き出して掃除機で吸います。
水に敏感な無垢材は、水拭きやモップを使った掃除は、毛羽立ちや反りなどの原因となるのでおすすめできません。
したがって、日常清掃に関しては乾拭きやドライシートでのお掃除を基本としましょう。
乾拭きは、木目に沿って拭くとスムーズです。
頑固な汚れはどうする?
頑固な汚れについては、水拭きをするしかありませんが、固く絞って水分を床に残さないように注意が必要です。
やむを得ず、洗剤を使いたい場合にはアルカリ洗剤や酸性洗剤ではなく、中性洗剤を使いましょう。
●日常清掃は、掃除機がけと乾拭きを基本です。
●頑固な汚れを水拭きで落とす場合には、床に水分を残さないように注意しましょう。
板張りの床についてのよくある質問
最後に、板張りの床についてのよくある質問を紹介します。
Q突板とは床の何ですか?挽き板や無垢材の違いは?
突板とは、無垢材をシート状にスライスしたもので、木製ではない材料の表面を木製化する用途で使われることが多く、合板に貼り付けて使用されます。
厚さは、0.2~0.6mm程度なので深い傷がつくと補修が難しいなどのデメリットはありますが、軽量で品質が安定しやすいという特性があります。
そして、挽き板とは無垢材の2~3mmを切り出してシート状にしたもので、無垢材とは木材をそのまま加工したものです。
このように、突板、挽き板、無垢材の大きな違いは、天然木の厚みにあります。
まとめ
今回は板張りの床の特徴やフローリングとの違いなどについて紹介しました。
柔らかい質感やあたたかみなど自然素材ならではのデザインや機能を享受できるのが、合板フローリングにはない板張りの床の特徴です。
しかし、板張りの床には品質が安定しない、コストが高いなどのデメリットもあるので、木材の目利きができて、木材について独自の仕入れルートを持っている施工会社を選定することが重要です。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。