「漆喰」と「珪藻土」の違いを比較|メリット・デメリットやどっちがいいかか判断するポイントも解説

「漆喰」と「珪藻土」の違いを比較|メリット・デメリットやどっちがいいかか判断するポイントも解説

漆喰」とは消石灰を主原料とした塗り壁材であるのに対し、「珪藻土」は植物性プランクトンの殻の化石を主原料としています。

「漆喰」と「珪藻土」は主原料をはじめとして、さまざまな点で違いがあるため、どちらか選ぶ前にそれぞれの特徴を比較しておくことが大切です。

今回は、自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、「漆喰」と「珪藻土」の違いを解説します。

 

このコラムのポイント

・主原料や見た目など、「漆喰」と「珪藻土」の違いを解説します。

・「漆喰」と「珪藻土」のそれぞれのメリット・デメリット、施工事例をご紹介します。

・「漆喰」と「珪藻土」はどっちがいいか判断するポイントをお伝えします。

 

「漆喰」と「珪藻土」の違いを比較

「漆喰」と「珪藻土」の違いを比較|茨城|フォレストブレス

「漆喰(しっくい)」と「珪藻土(けいそうど)」の違いを、以下の点から比較します。

  • ・主原料
  • ・見た目
  • ・耐久性
  • ・効果
  • ・価格

 

1つひとつ、チェックしていきましょう。

主原料

「漆喰」と「珪藻土」の主原料の違いは、以下のとおりです。

種類 主原料
漆喰 石灰石を高温で焼いた「消石灰(水酸化カルシウム)」
珪藻土 植物プランクトンの一種である「珪藻」の殻の化石

 

「漆喰」は消石灰に水・のり・繊維を混ぜてつくられており、日本では古くから塗り壁材として寺院などに利用されてきました。

一方で、「珪藻土」は、珪藻の殻の化石に泥・繊維などを混ぜて塗り壁材として使われています。

「漆喰」と「珪藻土」はともに自然素材の塗り壁材ですが、化学合成接着剤が含まれているケースもあるため、あらかじめ施工業者に成分を確認しましょう。

 

自然素材で建てる平屋の小さい家の魅力については、以下の記事でご紹介しています。

>自然素材で建てる平屋の小さい家の魅力とは?|メリット・デメリットや施工実例を紹介

見た目

「漆喰」と「珪藻土」の見た目・質感の違いは、以下のとおりです。

種類 見た目・質感
漆喰 きめ細かく、ツルっとした質感がある
珪藻土 多孔質で比較的ザラザラとした質感がある

 

また、塗り壁は素材だけではなく仕上げ方によっても、見た目が大きく変化します。

塗り壁の仕上げ方の例は、以下のとおりです。

仕上げ方 内容
こて波 コテで塗った跡を自然な風合いで残す
扇模様 コテで半円の模様をつける
引きづり 壁と平行に引きずるように模様をつける
スパニッシュ模様 コテのエッジを使ってパターンをつける
スポンジ仕上げ スポンジの表面をこすることで模様をつける

 

塗り壁は職人の手によって仕上げていくので、オリジナリティのある雰囲気にできるのが大きなメリットとなります。

耐久性

耐久性においては、「珪藻土」よりも「漆喰」のほうが優れていると考えられます。

「漆喰」は、主原料である消石灰と空気中の炭酸ガスが反応して、硬化していく性質を持っているのが特徴です。

一方で、「珪藻土」は珪藻を固めるために入っている成分によって、耐久性が異なります。

「珪藻土の壁はボロボロする」というイメージもありますが、高耐久な場合もあるので製品の特徴を比較することが大切です。

ただし、耐久性が高くても接着剤を使用している場合は、珪藻の穴がふさがってしまい、効果を損なう可能性もあります。

効果

「漆喰」と「珪藻土」は塗り壁材として利用することで、以下の効果を期待できます。

種類 期待できる効果
漆喰
  • ・調湿性
  • ・防火性
  • ・防カビ性
  • ・抗菌・抗ウイルス性
  • ・消臭効果 など
珪藻土
  • ・調湿性
  • ・防火性
  • ・消臭効果
  • ・吸音性 など

 

「漆喰」と「珪藻土」は両方とも調湿性に優れており、多湿な場合は湿気を吸い込み、乾燥している場合には湿気を放出するのが特徴です。

なお、細かな空孔や穴がある「珪藻土」のほうが、「漆喰」よりも高い調湿性を持っています。

加えて、「漆喰」と「珪藻土」には消臭効果があり、シックハウス症候群の原因でもあるホルムアルデヒドを吸着・分解する働きがあるのも魅力です。

価格

「漆喰」と「珪藻土」では、価格に大きな違いはありません。

ただし、以下の理由から漆喰のほうが施工費用がかさむ傾向にあります。

  • ・下地処理の手間がかかる
  • ・素材として扱いが難しく、施工の難易度が高い

 

施工方法や施工業者によっても費用は異なるので、複数の業者の見積もりを比較することも大切です。

 

"フォレストブレス”では、内装にも天然素材でつくられた左官材を使用しています。

「自然素材にこだわって家づくりを進めたい」と考える方は、"フォレストブレス”にご相談ください。

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漆喰のメリット・デメリット

漆喰のメリット・デメリット|茨城|フォレストブレス

ここでは、漆喰のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット

漆喰のメリットは、以下のとおりです。

  • ・耐久性が高く、時間が経過しても劣化しにくい
  • ・静電気が発生しないので、壁にホコリが付着しにくい
  • ・軽度な汚れは消しゴムで消せるなど、手軽にメンテナンスできる
  • ・調湿や抗菌など、さまざまな効果を期待できる

 

「耐久性の高い塗り壁を求めている」「メンテナンスしやすい壁にしたい」と考えている方には、漆喰が向いています。

デメリット

漆喰のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・ひび割れが発生するリスクがある
  • ・下地処理の手間があり、施工費用がかさむ傾向にある
  • ・施工に時間がかかる
  • ・真っ白な漆喰は、汚れが目立ちやすい

 

漆喰は施工難易度が高く、正しい手順で施工されていないとひび割れが発生する可能性があるので、実績の豊富な施工業者を選ぶ必要があります。

 

漆喰の家は寒くて後悔するかについて、こちらの記事で解説しています。

>漆喰の家は寒くて後悔する?|漆喰の家のメリット・デメリットや施工事例を紹介

珪藻土のメリット・デメリット

珪藻土のメリット・デメリット|茨城|フォレストブレス

続いて、珪藻土のメリット・デメリットを解説します。

メリット

珪藻土のメリットは、以下のとおりです。

  • ・調湿や消臭などの効果を期待でき、快適な住宅を実現できる
  • ・静電気が帯電しないので、ホコリが壁に付着しづらい
  • ・漆喰と比較すると、施工費用を抑えられる可能性がある
  • ・カラーバリエーションが豊富で、好みに合わせやすい

 

「費用をなるべく抑えたい」「自然素材の塗り壁にしたいけど、色にもこだわりがある」といった場合には、珪藻土の利用が向いています。

デメリット

珪藻土のデメリットは、以下のとおりです。

  • ・乾燥によってひび割れが発生するケースがある
  • ・粉が落ちやすく、掃除の手間がかかる
  • ・壁にぶつかるなど、衝撃によって傷がつきやすい
  • ・水に弱いので、頻繁に水がかかる箇所には利用できない

 

上記のように、珪藻土には「傷がつきやすい」「水に弱い」などのデメリットがあるので、外壁や水回りなどへの利用は避ける必要があります。

「漆喰」と「珪藻土」を取り入れた施工事例を紹介

「漆喰」と「珪藻土」を取り入れた施工事例を紹介|茨城|フォレストブレス

ここでは、「漆喰」と「珪藻土」を取り入れた施工事例をご紹介します。

外壁に「漆喰」を取り入れたシンプルな家

こちらは、外壁に「漆喰」を取り入れた事例で、シンプルな外観が特徴的です。

「自然素材の家に住みたい」という奥さまの思いが住宅の随所に反映されており、1年以上の設計期間を経て完成しました。

外壁に「漆喰」を採用したシンプルな家|茨城|フォレストブレス

<施工事例>漆喰外壁のシンプルな平屋

「漆喰」と「珪藻土」の両方を活用した家

こちらは、「漆喰」と「珪藻土」を活用した事例で、両方を上手に組み合わせた住宅を実現しています。

外壁には「漆喰」を採用しており、蔵をモチーフにしたデザインが印象的です。

「漆喰」の「珪藻土」を両方を取り入れた家|茨城|フォレストブレス

<施工事例>蔵をモチーフにした家

続いて、内装の壁・天井には「珪藻土」を利用し、シンプルでナチュラルな空間に仕上げています。

「漆喰」の「珪藻土」を両方を取り入れた家|茨城|フォレストブレス

<施工事例>蔵をモチーフにした家

外壁の2階部分を「漆喰」で仕上げた家

こちらは、外壁の2階部分を「漆喰」で仕上げた事例で、1階部分は「国産から松張り」を採用しています。

漆喰のホワイトはナチュラルで美しく、から松のブラウンを引き立てているのもポイントです。

外壁の2階部分を「漆喰」で仕上げた家|茨城|フォレストブレス

<施工事例>のびのびと暮らせる小さな家

「漆喰」と「珪藻土」のどっちがいいか判断するポイント

「漆喰」と「珪藻土」のどっちがいいか判断するポイント|茨城|フォレストブレス

「漆喰」と「珪藻土」はどっちがいいかを判断する際には、以下のポイントを踏まえて検討しましょう。

  • ・塗り壁材に求める条件を明確にする
  • ・「漆喰」と「珪藻土」を混ぜる選択肢もある

 

それぞれについて解説します。

塗り壁材に求める条件を明確にする

「漆喰」と「珪藻土」のどちらにもメリット・デメリットがあるので、塗り壁材に求める条件を明確にし、条件に合うほうを選びましょう。

例えば、耐久性を求めるなら「漆喰」、調湿性を重視するのであれば「珪藻土」を選択する方法があります。

ただし、製品によっても特徴が異なるため、施工業者のアドバイスを参考にしながら塗り壁材を決めるのがおすすめです。

「漆喰」と「珪藻土」を混ぜる選択肢もある

「漆喰」と「珪藻土」を混ぜると、以下のようにプラスアルファの効果を期待できるケースがあります。

  • ・漆喰の調湿性がアップする
  • ・珪藻土の防カビ性が向上する

 

「漆喰にしたいけど、珪藻土の調湿性も捨て難い」とお悩みの場合は、両方を混ぜるなど方法がないか施工業者に相談しましょう。

 

自然素材の家を後悔しないためのポイントを、以下の記事で解説しています。

>自然素材の家を後悔しないためのポイントをプロが解説

まとめ

「漆喰」と「珪藻土」には、主原料・見た目・効果など、さまざまな点で違いがあります。

家づくりで後悔しないためにも、塗り壁材に求める条件を明確にしてから素材を選びましょう。

今回ご紹介した内容を、塗り壁材を検討する際の参考としていただけると幸いです。

 

私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。

木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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