漆喰壁を外壁に利用するメリット・デメリット|後悔しないためのポイントや施工事例も紹介
「漆喰壁を外壁に利用したい」をお考えの方へ。
漆喰壁の外壁は機能性・デザイン性ともに優れているものの、後悔しないためにはデメリットも踏まえて検討することが大切です。
今回は、自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、漆喰壁を外壁に利用するメリット・デメリットを解説します。
・漆喰の特徴や、漆喰壁を外壁に利用するメリット・デメリットを解説します。
・漆喰壁を外壁に利用して後悔しないためのポイントをお伝えします。
・漆喰壁を外壁に利用した施工事例をご紹介します。
漆喰とは
「漆喰(しっくい)」とは、石灰石を高温で焼いた消石灰(水酸化カルシウム)を主原料としている塗り壁材のことです。
一口に「漆喰」といってもさまざまな種類があり、ここでは外壁でも使用される種類をご紹介します。
種類 | 内容 |
---|---|
本漆喰 | ・一般的な漆喰で、真っ白な色が特徴である ・消化灰・海藻のり・麻すさを混ぜてつくる |
土佐漆喰 | ・クリーム系の色から白色へ変化する ・消化灰・ワラ・水を熟成してつくる |
琉球漆喰 | ・断熱性と調湿効果に優れている ・生石灰・ワラ・水を混ぜてつくる |
漆喰は古くから神社仏閣の建築材料に使用されるなど歴史が長く、近年においては自然由来の身体に優しい壁材として注目を集めています。
「漆喰」と「珪藻土」の違いを、以下の記事で解説しています。
>「漆喰」と「珪藻土」の違いを比較|メリット・デメリットやどっちがいいかか判断するポイントも解説
漆喰壁を外壁に利用するメリット
ここでは、漆喰壁を外壁に利用するメリットを解説します。
1つでも魅力的だと感じたら、ぜひ漆喰壁の外壁を検討してみてください。
耐久性が高く長期的に利用できる
漆喰壁は耐久年数が100年以上ともいわれるほどの優れた耐久性があり、長期的に利用できます。
漆喰壁の耐久性が高いのは、主原料の消石灰が空気中の二酸化炭素と反応することで、硬化する性質を持っているためです。
ただし、外壁の耐久性をキープするには、日々の手入れや定期的なメンテナンスが必要になります。
防火性に優れている
漆喰壁の主原料の消石灰は無機物であり、不燃性の物質です。
外壁に漆喰壁を利用すれば、万が一火災が発生しても燃え広がるリスクを軽減できるため、ご家族と建物の両方を守ることにつながります。
なお、漆喰は国土交通大臣が認定する「防火材料」のなかで最も性能が高い「不燃材料」として認められている安全性の高い材料です。
仕上げパターンのバリエーションが多い
漆喰壁は仕上げパターンのバリエーションが豊富なので、外壁デザインの選択肢が広いのが魅力です。
たとえば、漆喰壁の仕上げパターンには以下のような種類があります。
種類 | 内容 |
---|---|
コテ波 | コテで塗る跡を自然な風合いで残す |
ハケ引き | ブラシなどハケを使用して跡を残す |
ラフ仕上げ | 塗り重ねて立体的な表情を出す |
扇模様 | 半円を描くようにコテで模様をつける |
また、職人の手作業によって仕上げていく漆喰壁は、温かみや独特な美しさを感じられるのもポイントです。
漆喰壁を外壁に利用するデメリット
続いて、漆喰壁を外壁に利用するデメリットを解説します。
メリットとあわせて、デメリットもチェックしましょう。
施工期間が長くなる傾向にある
漆喰壁を外壁に利用する場合には、以下のような理由から施工期間が長くなる傾向にあります。
- ・漆喰を塗る前に下地処理が必要となる
- ・複数回にわたって重ね塗りをする
- ・職人の手作業で作業するため時間がかかる
- ・乾燥期間が必要になる
外壁の面積など条件によっても異なりますが、施工期間が長くなることを前提にして、家づくりの計画を立てることが大切です。
施工業者と打ち合わせをする際には、施工期間について「延長の可能性はあるか」など詳しく聞くようにしましょう。
汚れや傷が気になる可能性がある
白色の漆喰壁は汚れが目立つ可能性があるので、外壁に利用する場合は注意しましょう。
漆喰壁の汚れの原因は、以下のとおりです。
- ・ホコリ
- ・排気ガス
- ・カビ
- ・コケ
たとえば、道路に面した住宅や駐車場に近い外壁に漆喰壁を採用する際は、排気ガスなどによって壁が汚れやすくなるケースがあります。
また、漆喰壁は硬いもので擦ったり、引っかいたりすると傷がつきやすく、補修の手間がかかるのもネックです。
費用が高額になる場合がある
漆喰壁の外壁を実現するには職人の高い技術力が必要となり、費用が高額になる場合があります。
加えて、施工期間が長くなりやすく、人件費がかかることも費用が高くなる要因です。
ただし、施工面積によっても費用が変化するので、予算を踏まえて施工業者と相談しましょう。
漆喰壁を外壁に利用して後悔しないためのポイント
漆喰壁を外壁に利用して後悔しないためのポイントをご紹介します。
「イメージと違った」などミスマッチを回避するためにも、それぞれのポイントをチェックしましょう。
手入れ・メンテナンスの手間を踏まえて検討する
漆喰壁の外壁の耐久性を保ち、美しさをキープするには日頃の手入れや定期的なメンテナンスが欠かせません。
漆喰壁の外壁が汚れた場合の手入れ方法は、以下のとおりです。
- ・水で洗い流す
- ・ブラシを使って水で掃除する
- ・高圧洗浄を使用する
- ・サンドペーパーで軽く削る
ただし、使用する漆喰の種類によっても性質が異なるため、事前に施工業者から手入れ方法を聞いておきましょう。
また、10〜15年に1回の頻度で施工業者による点検・メンテナンスを受ける必要があります。
DIYで漆喰壁の塗り替えをするとひび割れが発生するケースもあるので、メンテナンスはプロに依頼しましょう。
実績が豊富な施工業者に依頼する
漆喰壁は施工難易度が高く職人の技術力が求められるので、実績豊富な施工業者に依頼しましょう。
施工業者に問い合わせる前に、ホームページなどから実績を確認しておくとスムーズです。
また、漆喰壁は手作業で仕上げていくことから、施工業者によってデザインの雰囲気が異なります。
施工事例を確認する際には、ご自身の好みのテイストに合うかもチェックしておくのがおすすめです。
漆喰の家は寒くて後悔するかについては、以下の記事でご紹介しています。
>漆喰の家は寒くて後悔する?|漆喰の家のメリット・デメリットや施工事例を紹介
"フォレストブレス”では、自然素材を使った家づくりにこだわっています。
「漆喰壁を外壁に利用したい」と考える方は、"フォレストブレス”にご相談ください。
漆喰壁を外壁に利用した施工事例
最後に、"フォレストブレス”が手掛けた漆喰壁を外壁に利用した施工事例をご紹介します。
施工事例を参考にしながら、イメージを膨らませましょう。
本漆喰仕上げのシンプルな平屋
こちらは、外壁に本漆喰を採用したシンプルな平屋の事例です。
本漆喰ならではの真っ白な外壁が美しく、軒裏の木材とのコントラストが映えます。
また、窓のサッシやドアをシルバーに揃えているため、統一感を感じられるのも特徴です。
<施工事例>漆喰外壁のシンプルな平屋
2階部分の外壁に本漆喰を取り入れた家
こちらは、1階部分の外壁にカラマツ・2階部分の外壁に本漆喰を取り入れた事例です。
1階と2階のそれぞれの外壁に異なる色と素材を採用することで、メリハリのある外観を実現しています。
<施工事例>光や風を感じる家
漆喰・土瓦・木材を生かした蔵をモチーフにしている家
こちらは蔵をモチーフにしている家の事例で、外壁や屋根に漆喰・土瓦・木材を取り入れているのが特徴です。
日本の伝統的な雰囲気を味わえるのはもちろん、漆喰をはじめとした自然素材の温もりやシンプルさを感じられる外観に仕上がっています。
<施工事例>蔵をモチーフにした家
漆喰とカラマツでナチュラルな雰囲気に仕上げた家
こちらは、漆喰とカラマツでナチュラルな雰囲気に仕上げた家の事例で、2階部分の外壁に漆喰を利用しています。
また、ウッドデッキを取り入れることで、外観のナチュラル感がアップしているのもポイントです。
<施工事例>音楽ルームのある家
ナチュラルな家の外観実例を、こちらの記事でご紹介しています。
>ナチュラルな家の外観実例7選|ナチュラルな家の特徴やポイント、注意点も解説
まとめ
漆喰壁の外壁には「耐久性に優れている」など多くのメリットがある一方で、「施工期間が長くなりやすい」といったデメリットもあります。
漆喰壁の外壁で後悔しないためにも、実績豊富で技術力の高い施工業者に家づくりを依頼しましょう。
今回ご紹介した内容を、漆喰壁の外壁を検討する際の参考としていただけると幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。