セルロースファイバーは夏が暑いって本当?|特徴やメリット・デメリットも解説
「断熱材のセルロースファイバーは夏が暑いって本当?」と疑問をお持ちの方へ。
住んでから「イメージと違った」とミスマッチを感じないためには、あらかじめセルロースファイバーの特徴を押さえておくことが大切です。
今回は、自然素材の家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、セルロースファイバーは夏が暑いかを解説します。
・セルロースファイバーの特徴や、夏が暑いって本当かを解説します。
・「環境にやさしい」「工期が長くなりやすい」など、セルロースファイバーのメリット・デメリットをご紹介します。
・セルロースファイバーで後悔しないためのポイントをお伝えします。
Contents
セルロースファイバーとは
セルロースファイバーとは、新聞古紙をリサイクルして生産された環境配慮型の断熱材です。
具体的には、新聞古紙を綿のようにふわふわになるまで裁断し、ホウ酸系の薬剤で処理しています。
セルロースファイバーが断熱材として利用できるのは、裁断された繊維の内側や、新聞古紙の原材料である木の繊維に含まれる空気によって熱が伝わりづらくなるためです。
なお、セルロースファイバーは基本的に添加剤を使用していないため、身体にやさしい断熱材としても注目を集めています。
セルロースファイバーは夏が暑いって本当?
繊維に多くの空気を含む「セルロースファイバー」は断熱性に優れており、利用することで夏は涼しい快適な住宅を実現できます。
ただし、セルロースファイバーを利用する場合でも、以下のような条件では暑さを感じる可能性があります。
- ・建物の隙間からセルロースファイバーが抜け落ちている
- ・セルロースファイバーの厚さが不足している
- ・すみずみまでセルロースファイバーが施工されていない
- ・セルロースファイバーが沈下して隙間ができている など
セルロースファイバーは高い断熱性を持った素材ですが、施工精度が低いと性能を最大限に発揮できません。
上記のような状況を避けるには、専門的な技術や知識を持った施工業者を選ぶことが重要です。
セルロースファイバーのメリット
続いて、セルロースファイバーのメリットを解説します。
1つでもメリットだと感じたら、セルロースファイバーを検討してみてください。
断熱性に優れている
「セルロースファイバーとは」の章でご紹介したとおり、繊維に空気を含んでいるセルロースファイバーは熱を伝えづらく、断熱性に優れているのが特徴です。
加えて、細かく裁断されたセルロースファイバーは隙間なく施工しやすいので、冷気・暖気の通り道ができにくく、高い断熱効果を見込めます。
夏の暑さはもちろん、冬の寒さが室内に伝わるのをシャットアウトして、年間を通じて快適に暮らせるのがメリットです。
また、住宅の断熱性が高まると冷暖房効率もアップするため、光熱費の削減につながります。
防音や調湿などの効果も期待できる
セルロースファイバーは、断熱性以外に以下のような効果も期待できます。
- ・音を吸収するため、騒音や音漏れなどの音によるストレスを減らせる
- ・ホウ素系の薬剤によって防虫効果が得られ、シロアリなどの被害を抑えられる
- ・火災の際にもホウ素系の薬剤によって炭化し、延焼を防ぐ
- ・湿度に応じて、湿気を吸収・放出することで結露を防止する
上記のようにセルロースファイバーは多機能な断熱材であり、虫や湿気などから住宅を守ることで建物の長寿命化にも役立ちます。
「外気や音の影響を減らして快適に暮らしたい」「住宅を長持ちさせたい」とお考えの場合には、セルロースファイバーの利用が最適です。
環境にやさしい
セルロースファイバーは新聞古紙を再利用して生産しており、環境にやさしい断熱材です。
加えて、他の断熱材と比較すると製造時に必要なエネルギーも少なく済み、CO2排出量を抑えられます。
また、セルロースファイバーは木質系繊維の天然素材であるため、身体にやさしいのも魅力です。
セルロースファイバーに使用されているホウ酸系の薬剤は、目の洗浄など医療でも使われており、毒性が低く人体への蓄積や残留はほとんどありません。
自然素材を使ったこだわりの注文住宅について、こちらの記事でご紹介しています。
>自然素材の家でこだわりの注文住宅を|メリット・デメリットや実例を紹介
"フォレストブレス”では、自然素材を使った家づくりにこだわっています。
「セルロースファイバーを使用して家づくりを進めたい」と考える方は、"フォレストブレス”にご相談ください。
セルロースファイバーのデメリット
ここでは、セルロースファイバーのデメリットを解説します。
セルロースファイバーを採用する際は、デメリットも踏まえて検討しましょう。
費用が高くなる傾向にある
セルロースファイバーの施工には専門の機械・職人を必要とするため、施工費が高くなる傾向にあります。
また、セルロースファイバーは専用シートを貼ってから、吹き込み作業をするなど施工に手間がかかるのも費用が高くなる理由の1つです。
ただし、セルロースファイバーによって住宅の断熱性を高めれば光熱費を抑えられるので、初期費用だけではなくランニングコストも考慮して考えましょう。
工期が長くなりやすい
専用シートを貼るなどセルロースファイバーの施工は作業工程が多く、他の断熱材と比べると工期が長くなりやすいのがネックです。
住宅の規模にもよりますが、たとえば硬質ウレタンフォームは1~2日で施工できるのに対して、セルロースファイバーの施工には2~4日必要になります。
さらに、セルロースファイバーの施工中は基本的に他の工事ができないため、「工期を少しでも短くしたい」とお考えの場合はデメリットになる可能性があります。
施工精度が低いと天井から落下するケースがある
専用シートの貼り方が甘かったり、天井に隙間があったりすると、セルロースファイバーが落下してくるケースがあります。
これはセルロースファイバーの素材としての特徴ではなく、業者の技術力や施工精度の問題です。
たとえば、天井に埋め込む照明の「ダウンライト」と天井材の間に隙間ができてしまうと、セルロースファイバーが落下する原因となります。
羊毛(ウール)の断熱材について、こちらの記事で解説しています。
セルロースファイバーで後悔しないためのポイント
最後に、セルロースファイバーで後悔しないためのポイントをお伝えします。
それぞれのポイントを押さえて、ミスマッチを回避しましょう。
価格や工期を踏まえて検討する
セルロースファイバーは施工に手間がかかり、施工費や工期がかさみやすいので、踏まえて検討することが大切です。
施工業者と打ち合わせをする際は、セルロースファイバーを使いたい意向を早めに伝えて、価格や工期について説明を受けることをおすすめします。
セルロースファイバーが予算に合わない場合は、別の断熱材も視野に入れて家づくりを進めましょう。
実績豊富な施工業者を選ぶ
施工時の厚み不足などを避けてセルロースファイバーの効果を最大限に引き出すには、施工業者の技術力が不可欠です。
ホームページなどをチェックして、施工実績が豊富な業者を選びましょう。
また、打ち合わせではセルロースファイバーの沈下や落下などのリスクを聞いておくと、後悔を回避しやすくなります。
セルロースファイバーを選んで後悔しないかを、こちらの記事で解説しています。
>【断熱材】セルロースファイバーを選んで後悔しない?メリット・デメリットを解説
まとめ
セルロースファイバーは断熱性が高く、適切に施工されていれば、夏の暑さを感じにくい快適な住宅を目指せます。
また、セルロースファイバーは断熱性だけではなく防音や調湿などの効果を見込めるのもメリットです。
今回ご紹介した内容を、セルロースファイバーを検討する際の参考としていただけると幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。