「小さい家」間取りの工夫ポイントは?平屋・二階建て事例も紹介
最近、ミニマリズムの台頭とも相まって「小さい家」が高い注目を受けています。
実は、小さな家には豊かな暮らしが実現できる秘密がたくさんあるのです。
そこで、今回は小さい家の魅力から、住みやすい家にするために大切な間取りの工夫ポイントを紹介します。
これからマイホーム作りをする方は、ぜひ参考にしてください。
●快適な暮らしを実現するためには、間取りを工夫しなくてはいけません。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識と経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
「小さい家」にはメリットがたくさん
「小さい家」と聞くと、みなさんはどのような印象を持ちますか?
土地や予算に限りがあって“仕方なく”小さい家にするなどという、ネガティブなイメージが浮かぶ方も少なくないはずです。
確かにそのようなケースがない訳ではありませんが、最近は“敢えて”小さい家を建てたいという方が増えています。
では、なぜ多くの方がそのように思うのでしょうか?
それには、小さい家ならではのメリットが関係します。
●諸費用が抑えられる
小さい家は当然のことながら、家の構造体(基礎・壁・屋根など)にかかる建設費用が大きな家よりかかりません。
また、使う材料も必然的に少なくなるため、材料の大幅なコストカットにもつながるでしょう。
そして、建築確認申請や住み始めてから支払う固定資産税なども、床面積が広くなればなるほど高くなります。
つまり、住宅にかかる総コストを削減できるということです。
●材料や仕様、間取りにこだわれる
小さい家は建設費などの諸経費を削減できるため、その分浮いたお金をこだわりたい部分にかけられます。
- 自然素材にこだわりたい
- 設備機器にこだわりたい
- 収納にこだわりたい
- デザインにこだわりたい …
このようなあなたの願いを実現できるのです。
これこそまさに最近流行の“ミニマリズム”の精神そのもの。
装飾的要素や空間の余裕を重視するのではなく、むしろそれを最小限に抑えて“完成度”を上げられることが、小さい家最大の魅力と言っても過言ではありません。
●動線が短くなって効率の良い暮らしができる
小さい家は、動線がコンパクトにおさまるため、家事効率がぐんと上がります。
また、無駄な移動がないため、家事以外の生活に関わる時間が短縮でき、より日々を有効活用できるでしょう。
どれだけ無駄な動線を省けるかどうかが、設計士の腕の見せ所でもあります。
●家族との時間が密になる
大きな家は、家族がそれぞれ個室を持てたり、各々好きな場所でくつろげるという点が魅力です。
しかし、間取りによってはほとんどお互い顔を見合わせることがなくなり、関係が希薄になってしまうご家庭は少なくありません。
一方、小さい家ならお互いの気配をどことなく感じることができますし、必然的に生活の中で顔を合わせる機会が増えます。
ただし、懸念されるのが「プライバシーの確保」。
間取りの無駄を排除しつつも、適度な距離感を保てる工夫が必要です。
●メンテナンス費用がかからない
せっかく建てた家も、お手入れを怠ればその寿命が縮まってしまいます。
そのため、外壁や屋根などのメンテナンスは欠かせません。
小さい家にするということは、それらの費用も抑えられるということ。
面積が少ない分、ハイグレードで高耐久な仕様にしても良いでしょう。
定期的な点検がしやすい点も魅力の一つ。
家を長持ちさせるためには、日頃から劣化が見つけやすい住宅であることも重要です。
(参考:茨城県|長く住み続けられる住宅のために)
●屋外空間が充実する・狭小地でも建てられる
一昔前までは、用途地域で定められた建蔽率の上限ギリギリまで家を広くするケースが少なくありませんでしたが、最近は外部空間も充実させたいという方が増えています。
小さい家にすれば、その分敷地の広い部分を庭やウッドデッキとして活用でき、より充実したアウトドア時間が楽しめるようになるでしょう。
憧れの家庭菜園も夢ではありません。
また、立地条件の良いエリアに住みたい方にとっては、狭小地でも建設できる小さい家は魅力的なはずです。
●省エネ住宅になる
小さな家は室内空間も小さいため、室内の温度調整に必要なエネルギーを少なく抑えられます。
また、建設コストがかからない分、高い気密性や断熱性の仕様にすることもできるでしょう。
最近人気が高い自然エネルギーを活用するパッシブデザインの住宅も増えています。
そして、何より建築にかかるエネルギー量が少ない点も忘れてはいけません。
小さい家=地球にやさしい家。
地球環境への負荷を減らしたい方にもおすすめです。
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私たち“フォレストブレス”は、「あつらえ設計」をコンセプトに、お客さまの住まい方や個性、価値観に耳を傾け、世界に一つだけの住まいづくりを行ってきました。
そこで、私たちだから分かる「小さい家」のポイントを紹介します。
●廊下を極力なくす
各空間を移動するのに必要な「廊下」ですが、小さい家の間取りを成立させるためには、極力減らすことがポイントです。
部屋同士を直接繋ぎ、移動するためのスペースにも別の意味を持たせれば、限られた空間を無駄なく活用できます。
例えば、家の中心に家族が集うLDKを置き、そこから各場所へ移動できるようにすれば、廊下は必要ありません。
廊下がなくなれば生活動線・家事動線も短くなり、部屋の出入りでエアコンの空気が漏れてしまうこともなくなるでしょう。
ただし、LDKと寝室を隣合わせにする場合には、防音についても対策する必要があります。
間にウォークインクローゼットを配置するなど、間取りで工夫することが重要です。
●壁付けキッチンでまとまった空間を確保する
「対面キッチンが憧れ」そんな方も多いでしょう。
しかし、ダイニングに向いたキッチンはどうしても壁際の収納スペースと、キッチンの間に作業するための場所が必要なります。
そのため、ダイニング部分が狭くなってしまいかねません。
空間的効率性を重視するなら、壁付けのキッチンがおすすめです。
中央にまとまった空間が確保でき、無駄なスペースや特定の行動しかできないスペースがなくなります。
●大きな窓で開放的な印象に
小さい家と圧迫感は切っても切り離せません。
空間が小さく区切られてしまうため、どうしても壁は近くなってしまうからです。
そこでポイントとなるのが、窓の計画。
大きな窓を設ければ、小さい部屋でも開放的な雰囲気になります。
ただし、窓を設置する方角にも気をつけなくてはいけません。
南向きや西向きですと、夏の暑さが気になります。
開放感を得ながらも居心地のいい空間にするためにも、高断熱サッシを採用しましょう。
●空間に複数の機能を持たせる
上の写真のように、やむを得ず廊下を作る場合も、収納機能をプラスすることで、その空間の価値が高まります。
また、昼間はお子さんの遊び場で夜は寝室など、一部屋に二つの意味を持たせることで、限られた空間を無駄なく活用できます。
ただし、この場合はご家族の生活パターンを十分理解し、さらに将来どのように使うかまで考えなくてはいけません。
●階段下も有効活用
二階建て住宅の場合、どうしても階段下がデッドスペースになってしまいます。
階段下収納として使うのもいいですが、写真のようなオープン階段にして、お部屋の一部として使うのもおすすめです。
オープン階段とは、 蹴込板のない階段でスケルトン階段とも呼ばれます。
軽やかなそのデザインは、インテリアのアクセントにもなりますし、何より小さい家のデメリットである圧迫感をかなり抑えられるでしょう。
ただし、小さいお子さんがいるご家庭は、落下防止のネットや手すりを必ず取り付けてください。
●造作棚で収納量を確保する
収納計画こそ、小さい家を成功させる鍵と言って間違いではありません。
既製の家具や収納システムは規格が決められているため、どうしても家の間取りにフィットしなかったり、入れたい荷物をぎっしりしまうことができなかったりします。
そこでおすすめなのが、造作棚です。
棚の量、高さ、奥行きを全てカスタマイズできるため、効率よく収納できます。
荷物をしまう場所を決めることで、片付けもしやすくなります。
最近は、ウォークインクローゼットと家事室を組み合わせるプランも人気で、収納の一角に、洗濯を畳んだりアイロンがけするカウンターを作るのもおすすめです。
●勾配天井で圧迫感を解消
屋根形状を生かして勾配天井を取り入れてみましょう。
狭い部屋でも天井高が高くなると、一気に開放的になります。
スペースに余裕があれば、ロフトを作るのもおすすめ。
お子さんの遊び場や趣味の空間、納戸など、サブ的要素のある部屋として活用できます。
●収納で空間を区切る
LDKなどの広い部屋を、緩やかに区切りたい時におすすめなのが、間仕切り収納です。
窓が多く家具のレイアウトが難しい部屋にもおすすめします。
ご家族全員が使うものをしまえば、動線も短くできて快適です。
また、飾り棚として使えば、お部屋が一気に華やぐでしょう。
ただし、どうしても人が近くを通るため、埃が舞いやすい点には注意が必要です。
食器などをしまう場合には、適宜扉を付けるなど工夫しなくてはいけません。
●造作家具で空間をフル活用する
収納と同様に家具も造作すれば、空間を無駄なくフル活用できます。
また、使い勝手も自由自在です。
ただし、写真のようにベッドや机を作る際には、使う人の体格に合わせることが必須ですし、子供部屋ですと成長を見据えた作りにしなくてはいけません。
そのため、造作家具を作る場合には、経験豊富で実績のある会社へ相談しましょう。
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●室内窓で圧迫感を軽減
最近増えているのが、室内窓を設けるプランです。
室内壁に開口部を設ける手法で、圧迫感の原因となる間仕切り壁を軽やかな印象に変えてくれます。
また、開口部から空気が出入りし、光も漏れるため、空間のプライバシー性を確保しながらも、家族の気配が感じられます。
ただし、あまり広い部屋に取り入れると空調効率が下がってしまいますし、音漏れも気になるでしょう。
そのため、室内窓を設ける場合は、部屋の使い方まで含めて検討してください。
●アウトドアリビングを作りくつろぎ空間を外に作る
リビングに面した部分にウッドデッキなどを設け、室内外を一つの空間として使えるのがアウトドアリビングの魅力です。
日当たりの良い部分にリビングを配置できる場合は、ぜひ取り入れてみてください。
すると、一見狭いリビングでも窓を開け放てば、一気に広々とした空間に早変わりします。
気持ちのいい季節は、食事やリラックス時間を外で楽しむのも良いでしょう。
●天窓や吹き抜けで光を取り入れる
小さい家は、窓を取り付けられる壁面が少ないため、間取りによっては十分な陽の光が入らないケースもあります。
その場合は、ぜひ天窓(トップライト)や高窓(ハイサイドライド)を取り入れてみてください。
小さな窓でも部屋が明るくなりますし、家具の置き場所にも困りません。
●リビング階段で縦の空間をつなげる
大きな家ですと、リビングに階段があると大空間となって空調しづらいデメリットがありますが、小さい家ならその心配が少ないでしょう。
リビングに階段を設けることで、上下階で縦のつながりが生まれ、上の階にいるご家族の気配も感じられます。
また、階段室や廊下を作る必要がないため、空間の無駄が省けます。
●格子で緩やかにゾーニングする
私たちがおすすめするのが、格子を取り入れた間取りです。
光や風を通しつつも、適度に視線を遮ってくれます。
また、間仕切り壁を立てるよりもコンパクトにゾーニングできるため、まさに小さい家に打って付けの設えと言えるでしょう。
写真のように天然木で組んだ格子は、インテリアのアクセントとしても際立ちます。
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まとめ
「小さい家」は今まで様々な著名建築家も挑み続けた“住まいの究極系”です。
無駄をなくして豊かな暮らしを実現できます。
ただし、間取りを成立させるためには工夫しなくてはいけないポイントが多いのも事実。
私たち”フォレストブレス”は、「小さな家でコトを愉しむくらし」のご提案をしています。
自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。
「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ
フォレストブレスでは国産無垢材や漆喰、シラス壁などを活かした自然素材の家づくりを行っています。
断熱材にはセルロースファイバーや羊毛断熱、接着剤には膠や米糊など採用に、目に見えない部分の素材選びにもこだわり抜いています。
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