ペレットストーブとは?メリット・デメリットと後悔しないための5つのポイント
ペレットストーブは、薪ストーブとよく比較検討される暖房器具です。
バイオマス燃料を使うため環境に優しく、空間全体を暖められることから、注目が集まっています。
しかし、実際にペレットストーブを採用した人の中には後悔している人もいるようです。
後悔している理由を理解し、対策を行った上でペレットストーブを採用しましょう。
Contents
ペレットストーブってどんな暖房器具?
ペレットストーブは、「ペレット」を燃料として使う暖房器具です。
使用されるのは木質ペレットで、おがくずなどの木材を粉砕して乾燥させ、圧縮してつくられます。
木材を再利用したものを燃料として使えるため、環境に配慮した暖房器具として知られています。
ペレットストーブには、複写式と対流式の2種類の暖め方があります。
- ・輻射式:本体が熱を帯びて部屋を温める
- ・温風(対流)式:温風を出すことで部屋を温める
輻射式は遠赤外線の効果で空間全体が温まりやすいという特徴があります。
対して、温風式は比較的早く暖めることができる点が特徴です。
本体が熱くならない点もメリットでしょう。
同じく木材を燃料とした暖房器具に薪ストーブがあります。
薪ストーブについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをチェックしてみてくださいね。
▷薪ストーブのある家|メリットやデメリット、暖炉・ペレットストーブとの違いは?
ちなみに、ペレットストーブは薪ストーブよりも煙や灰の発生量が少なく、煙突がないので見た目がすっきりとしている点が特徴です。
ペレットストーブのメリット
ペレットストーブのメリットを紹介します。
①室内全体が温まる
ペレットストーブは室内全体が温まりやすい点が特徴です。
特に、輻射式のペレットストーブは、遠赤外線の効果で壁・床などに熱が伝わっていくため身体の芯から暖めることができます。
エアコンの場合、暖かい空気が上の方に溜まってしまい、頭は暑くて足元が寒いということもありますよね。
ペレットストーブではこのような不快な温まり方はせず、快適に過ごすことが可能です。
②炎のゆらぎでリラックスできる
ペレットストーブは木質ペレットを燃焼させるため、稼働時に炎のゆらぎを楽しむことができます。
炎を見ているとリラックスできるという効果もあるため、居心地の良い住まいにしたい方におすすめです。
③薪ストーブと比べて操作が簡単
ペレットストーブは薪ストーブと比べて、操作性が高いです。
ボタンを押して簡単に着火・消化ができます。
また、器具によってはダイヤルを回すだけで火力調整ができたり、タイマー機能がついているものも。
自分にとって必要な機能性を考えて、ペレットストーブを選びましょう。
④補助金制度を利用できることもある
ペレットストーブ導入によって、補助金制度を利用できる地域もあります。
残念ながら現在茨城県ではペレットストーブの補助金制度がありません。
ちなみに、隣県の栃木県や千葉県では補助金が貰える地域も。
参考までに補助金制度のページを掲載しておきます。
▷参考ページ:住宅用木質バイオマスストーブ(ペレット、薪ストーブ等)設置費補助金 | 益子町公式ホームページ
▷参考ページ:ペレットストーブ等補助金 | 山武市公式ホームページ
ペレットストーブのデメリット
ペレットストーブのデメリットを紹介します。
①電気を使用するため停電時は使えなくなる
ペレットストーブは電気を使用するタイプが一般的です。
そのため、エアコンや電気ストーブと同様に、停電時は使えなくなってしまいます。
対して、薪ストーブは電源を必要としない暖房器具のため、停電時でも使用可能です。
中には電源不要のペレットストーブもありますが、手動着火しなければならず火力調整もできません。
これではペレットストーブの魅力が半減してしまいますよね。
停電時の暖房対策を考えておくと良いでしょう。
②メンテナンスが必要
ペレットストーブは、薪ストーブよりはお手入れが簡単です。
しかし、エアコンや電気ストーブと比べると、やはりメンテンナンスはデメリットになります。
日頃のお手入れは、灰の除去や燃焼ポットの掃除が必要です。
本体が汚れている場合は拭き掃除をします。
特に、扉のガラスにススなどが付きやすいため、こまめにお手入れしてください。
また、1~2シーズンに1回程度は業者に依頼して大がかりなメンテナンスを行いましょう。
プロの力によって、本体の細かな部分や排気筒内の掃除、点検をしてもらうことが可能です。
自分で掃除することも可能ですが、かなり大変なので業者に頼むことをおすすめします。
③本体が熱くなるためお子様がいる家庭は注意が必要
輻射式のペレットストーブは、本体が高温になります。
そのため、お子様やペットがいる家庭は、火傷の危険性があるため注意しなければなりません。
ペレットストーブに近づけないようにゲートを付けたり、温風式の本体が熱くならないタイプを選んだりするなどの対策をしてください。
④ペレット購入のランニングコストがかかる
ペレットストーブは常に木質ペレットをストックしておく必要があります。
ペレットは10kg単位で売られていることが多く、1袋あたり600~800円が相場です。
内容量:10kg袋×2袋
1,300円(消費税込:1,430円)
1袋10kg 800円(税込)
海外製だともう少し安価なペレットもあるようです。
1時間あたりの燃焼で約1~1.5kgのペレットを消費するのが平均のため、10kgは7~10時間で消費してしまいます。
つまり、1日600~800円のペレット代がかかることに。
冬場に月15日使用したと仮定すると、1ヵ月で9,000~12,000円の支出があります。
ペレットストーブを採用する際は、月々の支出についても理解しておきましょう。
新築時にペレットストーブを採用して後悔している人もいる
ペレットストーブを新築時に採用して、後悔している方も中にはいます。
採用した方が後悔している理由を紹介します。
思ったよりも部屋が暖かくない
ペレットストーブを採用したが、思ったよりも部屋が暖かくないという意見も。
理由は次の3つが考えられます。
- ・建物の断熱性・気密性が低かった
- ・ペレットストーブ容量が小さい、または暖める空間が広すぎた
- ・メンテナンスをしていない
空間全体を暖められるペレットストーブを採用しても、建物の断熱性・気密性が低いと熱がどんどん逃げてしまいます。
また、ペレットストーブの対応面積を大きく超えた空間に設置すると、暖かさがイマイチと感じるケースも。
特に吹き抜けなどで2階とつながっているような間取りは、温める空間が広くなりますので注意が必要です。
また、メンテナンスをサボるとペレットストーブの効きが悪くなることもあります。
故障にもつながりますので、日常のお手入れや定期的なメンテナンスは必ず行ってくださいね。
メンテナンスが面倒だった
メンテナンスが思っていたよりも面倒だったと感じている方もいます。
確かに、今までペレットストーブや薪ストーブを使ったことがない人にとっては手間ですよね。
灰で手や周辺の床が汚れたりするのがストレスになることもあるでしょう。
ペレットを運ぶのが大変
ペレットは10kg単位で袋に入っているケースが多いです。
10kgはかなり重いですし、足腰にも大きな負担が掛かりますよね。
ネットでの大量購入も可能ですが、玄関先から保管場所まで運ぶのが大変だったという失敗事例も。
ペレットを運びたくなくて、ペレットストーブの使用頻度が下がってしまったという声もありました。
稼働時の音が意外と大きくて気になってしまった
ペレットストーブを使ってみたら、意外と稼働音が大きくて気になるという意見です。
ただ薪を燃やす薪ストーブと異なり、温風が出るペレットストーブはファンが回るような音がします。
また、ペレットの自動投入機能がついている場合、投入時の音が大きくて驚くことも。
静かに過ごしたいときや集中したいときも、音が気になってしまい後悔しているという方もいました。
中には、静音タイプのペレットストーブもありますのでチェックしてみてくださいね。
入居後に設置場所を変えたくなったが不可能だった
実際に住んでみたら、ペレットストーブが邪魔だったという意見もあります。
打合せ時はわからなくても、住んでみたら次のような理由で後悔することも。
- ・通り道にペレットストーブがあって避けて歩かなければならない
- ・ペレットストーブがある場所に家具を置きたかった
- ・子供が遊ぶ場所の近くにペレットストーブがあって危ない
一般的なペレットストーブは重さが100㎏を超えているものも多いです。
また、ペレットストーブは壁面に穴を空けて排気筒とつなげる必要があるため、移動させることはほぼ不可能です。
住んでから後悔しないように、設置場所は慎重に検討しましょう。
ペレットストーブを採用して後悔しないための5つのポイント
後悔した事例を元に、ペレットストーブを採用して後悔しないためのポイントをまとめます。
①建物の断熱性・気密性を高める
ペレットストーブに限らず、暖房器具の効果を最大限に活かしたいなら、建物の断熱性や気密性を高めましょう。
断熱材の種類や厚みを検討したり、サッシのグレードを高めて、熱が外へ逃げない仕組みづくりが大切です。
また、断熱材を隙間なく施工して、隙間のない気密性の高い建物を建ててくださいね。
②機能性の高いペレットストーブを選ぶ
ペレットストーブの魅力の1つに操作の手軽さがあります。
しかし、商品によっては火力調整が難しかったり、細かなタイマー設定ができなかったりすることも。
さまざまなメーカーを見比べて、自分に合った操作性のペレットストーブを見つけてくださいね。
また、商品によってペレットストーブの稼働音も異なります。
実際に商品を見に行って稼働音を聞いたり、稼働中の動画を参考にしたりして、住んでから後悔のないようにしましょう。
③間取りを考えるときにペレットストーブの設置場所を決める
ペレットストーブを採用したいなら、間取り検討時から設置場所を検討しましょう。
後から置く場所を考えると、生活しにくくて後悔する可能性が高まります。
次のような場所に設置することをおすすめします。
- ・特に暖めたい家族が集まる空間
- ・人が通るのに邪魔にならない場所
- ・周りの空間にゆとりがあってお手入れがしやすい場所
また、ペレットストーブは排気筒とつなげるため、外の環境を考えて設置場所を決めることも大切です。
庭に排気筒があると、子供が遊んでいるときに煙を吸い込んでしまう危険性があります。
隣家の物干し場の近くだと臭いが洗濯物に付いてしまってトラブルにつながることも。
周辺環境にも配慮しながら、ペレットストーブの位置を決めましょう。
④ペレットを保管する場所も検討しておく
ペレットストーブの位置と同時に検討したいのが、ペレットを保管しておく場所です。
10kgのペレットが入った袋を大量に置けるだけの広いスペースが必要です。
ペレットは湿気や直射日光に弱いため、これらを避けられる場所に保管しましょう。
屋外の物置などに置いてもいいですが、寒さの厳しい冬場に室内へ運ぶのは大変ですよね。
そのため、できるだけ室内に置いておくことが望ましいです。
おすすめしたい保管場所は次のような空間です。
- ・玄関付近の土間スペース
- ・ペレットストーブ付近の納戸
- ・ペレットストーブ横に収納スペースを作る
湿気が溜まりにくいように、台などの上に置くことが好ましいです。
買い溜めしたペレットは運びやすい玄関付近、1週間分のペレットはストーブの近くなど、置く場所を分けても良いでしょう。
室内にペレットを保管する場合は、子供やペットが誤って食べないように注意してくださいね。
⑤メンテナンス内容をしっかり理解してから採用を
ペレットストーブはこまめなお手入れが必要な暖房器具です。
まずは、メンテナンスの内容を理解し、実践できるのか考えましょう。
家族で掃除を分担するなどのルールを決めておいても良いですね。
導入を決めたら、お手入れのしやすいペレットストーブを選んでください。
商品によって、お手入れ箇所や方法が異なることがあります。
実際に商品をみたり、細かなメンテナンス方法を確認して器具を選ぶと失敗が少ないです。
さらに、メンテナンスにかかる費用も理解しておくことが大切です。
業者に頼む年1回の点検と清掃費用、部品の交換にかかる費用などをチェックしてくださいね。
まとめ:ペレットストーブを採用して冬場も快適な暮らしを
ペレットストーブは、身体を芯から暖めることができる環境に優しい暖房器具です。
エアコンなどとは違った暖め方をするため身体にも優しく、快適に過ごすことができるでしょう。
しかし、もちろんデメリットや採用する際の注意点があります。
対策できることはしっかりと行って、ペレットストーブを採用して後悔のないようにしてくださいね。
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ペレットストーブの導入事例もありますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
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