板張り外壁で“趣”のある住まいに。メリット・デメリットやメンテナンスについて
住宅の第一印象を決めると言っても過言ではない「外壁の仕上げ」。
最近、古くから日本で用いられてきた「板張り外壁」の魅力に、再び注目が集まっています。
しかし、従来のサイディング張りやモルタル塗装仕上げと少々勝手が異なる点も。
そこで、今回は「板張り外壁」のメリット・デメリットから、種類・張り方・メンテナンスなどの気になる疑問について、詳しく解説します。
これから新築住宅の建設を検討する方はもちろん、今のお住まいを外装リノベーションしたい方も、ぜひ参考にしてください。
●張り方や材料によって色々なパターンがあり、メンテナンスも他の外装材と比べて大きく手間がかかる訳ではありません。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識と経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
魅力が見直されている“板張り外壁” メリット・デメリットは?
皆さんは家の外壁と聞くと、どんな仕上げが頭に浮かびますか?
窯業系・金属系サイディングや、モルタル塗装の住宅をイメージする方が大半でしょう。
実は、それら以外にもじわじわ施工事例が増えている外壁材があります。
それが、「板張り外壁」。
無垢材、もしくは木質材料由来の材料を外壁の仕上げにする工法です。
今までは主に別荘建築など、自然豊かなロケーションに立つ住宅に多く採用されていましたが、一般住宅でも使われるケースが増えています。
では、板張り外壁にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
- ● 雰囲気のある他とは違う印象に仕上がる
- ● 部分張り替えがしやすい
- ● 経年変化を楽しめる
一番のメリットは、一般的な住宅とは一味違う雰囲気に仕上げられることです。
木目はこの世に二つとして同じ模様はなく、自然が生み出した美しさが魅力。
それを住宅の外観に取り入れることで、趣ある印象をプラスできます。
そして、部分張り替えがしやすい点も利点と言えるでしょう。
長年住み続けていると、どうしても部分的に劣化してしまったり、リノベーションに伴い、外壁の一部を補修しなくてはいけない場面もあります。
そのような場合でも、板材でしたら部分張り替えが可能です。
無垢材を使った場合は、経年変化を楽しめる点も忘れてはいけません。
樹種によっては、紫外線に当たると銀白色などに変色するものもあり、築年数によって違う表情を見せてくれます。
家族の成長と共に変化するため、愛着の湧く住まいになるはずです。
デメリット
- ● 施工に技術がいるため、コストが高い場合もある
- ● 変色や変形が起こる可能性がある
- ● 雨・雪や紫外線対策が必須
メリットがある反面、木材ならではのデメリットや注意点もあります。
まず、板張りに用いられる材料は自然素材であるため、品質の特性を読み取りそれに対応した施工技術が必要です。
化学物質が原料の材料ですと、どの現場でもそれほど施工技術は変わりませんが、無垢材ですと湿度や温度などの環境によって、取り扱い方法が異なる場合もあります。
また、重量もあるため、1日に施工できる量も限られています。
つまり、誰でも施工できるという訳ではないということです。
また、施工費が割高になるケースも少なくありません。
そして、無事施工した後でも、変色だけではなく、伸縮や反り、歪みなど変形してしまうリスクも伴います。
熟練した技術を持った会社ですと、変形を踏まえた施工も可能です。
雨や雪、紫外線を直接受ける場所に用いる場合は、特にそれらによる劣化対策を取らなくてはいけません。
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“板張り外壁”の気になる疑問|材料・張り方の種類や塗装・メンテナンス
板張り外壁はまだまだ“ポピュラー”とは言えず、気になっているものの採用に躊躇してしまう方も少なくないでしょう。
そこで、種類や気になるメンテナンスなどについて、詳しく見てみましょう。
外壁材を板張りにするかどうかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
板張り外壁に使われる材料の種類は?
板張り外壁に使われる材料は、主に2種類あります。
【無垢材サイディング・羽目板(パネリング)】
無垢材を施工しやすく連結して張れるように成形した材料です。
天然木そのものが原料なので、ナチュラルな仕上がりになります。
【パーティクルボード・MDFサイディング】
木くずに接着剤を混ぜて圧縮成形した材料で、木質由来ではあるものの均一の品質・性能を持ちます。
ただし、表面はプリントで木目を再現しているため、“木”の質感や風合いを求める場合には、イメージに合わないかもしれません。
これら以外に、「木目“調”サイディング」と呼ばれる外装材もあります。
しかし、金属やセメントなどが主原料で、あくまでも模様やテクスチャーを“再現”しているに過ぎません。
低コスト・軽量な点は魅力的ですが、木本来のメリットは薄れてしまいます。
「本物」にこだわるなら、無垢材サイディングや羽目板“一択”と言って良いでしょう。
「木目調サイディング」(引用:ニチハ株式会社)
「外装用羽目板」(引用:中本造林株式会社)
外壁材の色・木目は選べる?
無垢材と言っても、色味や木目の雰囲気は樹種によって異なります。
サイディングや外装用羽目板として用いられるのは、耐水性の高い「ハードウッド」と呼ばれる木で、レッドシダーやスギ、ヒノキが一般的です。
【レッドシダー】
北米産の針葉樹で、耐久性・耐水性・防虫性・寸法安定性が高いため、内外装に広く使われる材料です。
色は、赤褐色から黄褐色、暗褐色まであり、紫外線に当たると、段々と色が抜けて銀白色へ変わっていきます。
国産材は希少で、そのほとんどを輸入材に頼っているため、価格や流通量に変動がある可能性は否めません。
【スギ】
直線的は木目が特徴で、見た目の美しく通気性や耐水性も兼ね備えています。
色は白っぽく、年月が経つと段々木目が浮かび上がってくるのが特徴です。
国産材が多いため、高品質な材料が低価格で手に入りやすい点も魅力と言えるでしょう。
【ヒノキ】
針葉樹の中でも、スギ同様に通気性・耐水性が高く、重さも軽いため、家への荷重を抑えられます。
白っぽく艶のある風合いが人気です。
経年によって飴色に変化し、光沢が増してくるという特徴もあります。
スギと並び、国内の人工林に多く生息しているため、安定して材料が供給される点も多く使われる理由です。
これら木材本来の色味を生かす方法だけではなく、上から浸透性塗料(防腐塗料)を塗って着色することもできます。
また、古くから伝統建築物に用いられている「焼杉(やきすぎ)」という手法も人気です。
焼杉とは、杉板を敢えて焼き焦した材料で、炭化した表面が内部を湿気や害虫から守るため、高い耐久性を持ちます。
また、ブラックの色味はシンプルモダンな外観とも調和するため、デザイン性を理由に選ぶ方も少なくありません。
(引用:共栄木材)
張り方に種類はある?
板張りと言っても張り方向などによって印象はかなり変わります。
主に「横張り」「縦張り」があり、さらにそれぞれ板の重なり方や目地の有無などによって、細かく分けられます。
(引用:LIXIL)
機能面では横張りと縦張りで大きな差はありませんが、強いて言えば、縦張りは当たった雨水が下に流れやすく、水捌けが良いと言えるでしょう。
一方、横張りは縦張りと比べると雨水が目地などに止まりやすいですが、下見板張りですと内部まで水が侵入するリスクが極めて低いです。
しかし、この差はそれほど大きな違いではないため、外観イメージで張り方を選ぶ方が大半です。
メンテナンス方法や周期は?
外壁は、雨風や紫外線に長時間さらされる部位なので、メンテナンスは欠かせません。
特に、湿気に弱い無垢材については、こまめなお手入れを徹底することが必要です。
ただし、それはモルタル塗装仕上げや金属・窯業系サイディングも同様で、どの材料を選んでも表面塗装などをしなくてはいけないため、板張り外壁が特段大変という訳ではありません。
日光や雨が直接当たる場所は「5年周期」、それ以外の軒下などは「5〜10年周期」で防腐機能のある保護塗装をしましょう。
長年メンテナンスをしないと、湿気が深層部にまで染み込んで、シロアリやカビ、苔・藻、腐朽の原因となってしまいます。
そうなると、板材の張り替えだけではなく下地からやりかえないといけないかもしれませんので、十分注意しましょう。
雨の水ハネや湿気によるカビ・ダニ、藻によって美観が損なわれてしまった場合は、着色できる防腐剤を塗装するのもおすすめです。
(引用:一般社団法人 木のいえ一番振興協会)
焼杉は、メンテナンスフリーで30〜50年、100年以上持つとも言われているため、こまめなお手入れを避けたい方は、採用を検討してみても良いでしょう。
板張り外壁の劣化速度を少しでも遅らせたい方には、雨や紫外線が直接当たりにくい軒下やインナーポーチ・インナーバルコミーにのみアクセントとして取り入れる方法もおすすめです。
板張り外壁の上から塗装はできる?
防腐処理としての保護塗装は欠かせませんが、着色するための塗装はオプションです。
特に、浸透タイプの塗料(オイルステイン系)ではなく、塗膜を形成するペンキなどの塗装をする場合は要注意。
木材の伸縮によって塗膜にヒビが入りやすいですし、一度塗装してしまうと定期的に塗り替えなくてはいけません。
また、シロアリ被害や腐朽などの劣化に気が付きにくくなってしまう点もデメリットと言えるでしょう。
なにより、木の持つ美しい木目やナチュラルな風合いを隠してしまうことになります。
ですから、ナチュラルなカラー以外にしたい方や、マットな質感にしたい方には、あまり板張り外壁はおすすめできません。
“環境に優しい”って本当?
板張り材の原料である無垢材を積極的に使うことは、環境問題解決に貢献することにつながります。
「木を伐採するから自然を壊すのでは」と思う方もいるかもしれませんが、実はその逆で、むしろ森林の活性化につながるのです。
(引用:林野庁)
適度に森林の木々を伐採して活用することで、森が活性化し、より多くのCO2を吸収してくれるのです。
また、木材は他の建築材料と比べても、製造・加工過程で使用するエネルギー量やCO2排出量が少ないため、国も積極的に「木材利用を推奨しています。
日本国内で育った木材ですと、運輸にかかるエネルギーも大幅に削減できるため、より高い効果が期待できると言われています。
このように、住宅にも木材をふんだんに取り入れることで、「環境に優しい家」が実現できるのです。
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私たち“フォレストブレス”は、「呼吸が深くなる家」を目指し、自然素材にとことんこだわった家づくりに取り組んでいます。
1934年に製材所として創業して以来、長年培った経験と知識を踏まえ、高品質な木材を用いた住宅を数多く手掛けてきました。
板張り外壁はもちろん、内外装に木を多く使った家を建てたいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
「板張り外壁」は趣のある見た目もさることながら、環境に優しい建築材料としても注目されています。
メンテナンスが大変と思う方も多いですが、他の外装材と比べて大きく手間がかかる訳ではありません。
また、きちんとお手入れしてあげれば、何十年も保たせることもできます。
他の住宅とは違う雰囲気にしたい方は、ぜひ板張り外壁をご検討ください。
「初めてのマイホーム建設で、どうすればいいか分からない」
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