シックハウス症候群の対策とは?新築・リフォームの際に知っておくべきポイントについて
シックハウス症候群とは、建物の中にいると体調不良が起こってしまう症状です。
家族全員が笑顔に暮らせる住まいにするためには、この原因を取り除かなくてはいけません。
しかし、具体的に何をどのようにすればいいか分からない方も多いでしょう。
そこで今回は、「シックハウス症候群」の症状や原因、それに対する対策についてお話しします。
これからマイホームを新築する方はもちろん、今のお住まいをリフォーム・リノベーションしたい方は、ぜひ参考にしてください。
●換気・温度湿度環境・材料選びにこだわることで、発症リスクは抑えられます。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識・経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
知っているようで知らない「シックハウス症候群」
1970年代に、欧米を中心にビルで働く人や住む人の間で、頭痛や吐き気など原因不明の体調不良を訴えるケースが多発しました。
その原因を調査したところ、省エネルギーの一環としてビルの換気量を減らしたことで、化学物質が室内空気を汚染したことにあると分かったのです。
これがシックハウス症候群の前身である「シックビル症候群」です。
日本で問題視され始めたのは1990年代に入ってからと言われています。
日本では1990年代の後半に、省エネルギー化に向けた換気量の削減により、新築(あるいは改築)工事に伴って、建材や接着剤・塗料などから放散されるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の濃度が高い住宅において、一時的に健康障害を起こし、「シックハウス症候群」が全国的に大きな社会問題となりました。
家の高気密化が進むにつれ、換気量が不足し、今まで問題とならなかった化学物質の影響が強まってしまったのです。
シックハウス症候群の原因は?
では、どのような要因が揃うとシックハウス症候群を発症してしまうのでしょうか?
考えられている原因は主に3つです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
「化学的要因」
最も知られているのが、ホルムアルデヒドなどの化学物質です。
アセトアルデヒドやその他VOC(揮発性有機化合物)も原因物質と言われており、以下のものに含まれています。
- ・接着剤
- ・塗料
- ・建材用殺菌剤・防虫剤・防腐剤
- ・合成樹脂
- ・合成ゴム
つまり、住宅を建てる際に使われる木材や合板、塗料、壁紙など、至る所に要因が潜んでいるということです。
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「生物的要因」
カビなどの細菌もシックハウス症候群をもたらす原因になる場合があります。
真菌(カビ)は、MVOC(微生物由来揮発性有機化合物)を生成し、刺激性のある物質を作り出すからです。
また、ダニもハウスダストアレルギーの原因となり、気管支喘息などをもたらすケースは少なくありません。
これらの汚染物質が換気不足により室内に滞留すれば、体調不良をもたらします。
「物理的要因」
直接的な要因ではないものの、室内の空気環境に影響する「温度・湿度」にも気をつけなくてはいけません。
なぜなら、温度や湿度の状態によって、カビやダニの繁殖率が大きく変わるからです。
また、PMV(平均予想温冷感申告)が「+2(暑い)」もしくは「-2(寒い)」場合には、体調不良を起こすリスクが高まるため、健康的な暮らしを送る上でも、十分に配慮しなくてはいけません。
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「その他の要因」
意外と知られていないのが、喫煙(受動喫煙、三次喫煙)の影響です。
タバコの煙には、一酸化炭素やホルムアルデヒドが含まれています。
また、室内排気の開放型暖房機(石油ファンヒーターなど)を使用した際にも、窒素酸化物やホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が発生します。
PM2.5や黄砂が室内に入って止まれば、それも体調不良を引き起こす原因となりかねません。
〈参考ページ〉
厚生労働省|科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル
シックハウス症候群対策と関連する法律は?
シックハウス症候群が社会的に問題となり、政府はそれを解決すべく2003年に建築基準法を改正しました。
いわゆる「シックハウス対策」です。
建築基準法及び建築基準法施工令に、具体的な基準が盛り込まれました。
・建築基準法第28条の2(居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置)
・建築基準法施行令第20条の5(居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質)
・建築基準法施行令第20条の6(居室を有する建築物の建築材料についてのクロルピリホスに関する技術的基準)
・建築基準法施行令第20条の7(居室を有する建築物の建築材料についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
・建築基準法施行令第20条の8(居室を有する建築物の換気設備についてのホルムアルデヒドに関する技術的基準)
・建築基準法施行令第20条の9(居室を有する建築物のホルムアルデヒドに関する技術的基準の特例)
ただし、ここで問題なのが、法律上使用の制限がある化学物質は「クロルピリホス及びホルムアルデヒド」のみであるという点。
シックハウス症候群の原因となる化学物質は、溶剤に含まれるトルエン、キシレン、エチルベンゼン等や、アセトン、クロルピリホス等、多岐にわたります。
建築基準法で使用に関する規定があるのは、あくまでも主要原因物質に限られているということです。
住まいにおけるシックハウス症候群対策とは?
家族の健康を守る上で大きな問題となりかねない「シックハウス症候群」ですが、日常生活を送る住まいにおいては、特にしっかりと対策をとっておかなくてはいけません。
では、具体的にはどのようなポイントを押さえれば良いのでしょうか?
特に重要なポイントを3つ紹介します。
「必要換気量の確保」
建築基準法改正によって、住宅においても常時換気(24時間換気)が義務付けられました。
法律で定められた換気回数は、「住宅等の居室は0.5」です。
2時間かけて室内の空気が全て入れ替わる程度の換気能力が必要なことを意味します。
しかし、これはあくまでも“最低限”の条件。
確実に新鮮な空気で室内を満たすためには、給排気共に機械(換気扇)によって強制的に行う「第一種換気」がおすすめです。
【第一種換気】
(引用:三菱電機)
給気・排気とも機械換気で強制的に行う換気方法で、最も確実な給気・排気が可能となります。
【第二種換気】
(引用:三菱電機)
給気のみ機械換気で行い、排気は自然排気口や窓から行う換気方式。
【第三種換気】
(引用:三菱電機)
排気のみ機械換気で強制的に行い、給気は自然給気口や窓から行う換気方式。
24時間換気の設置が義務付けられているのは、2003年の法改正以降に建てられた新築のみなので、既存住宅は最低限の換気量すら確保できていない可能性もあります。
そのため、リフォーム・リノベーションの際には、換気計画についても施工会社へ相談しましょう。
換気について検討する際に懸念されるのが、「空調熱の損失」です。
いくら換気能力が高くても、冬に寒い外気が大量に流れ込んでしまえば、快適な環境と程遠くなってしまいます。
そこで最近多くの住宅に取り入れられているのが、「全熱交換器(全熱交換気)システム」。
(引用:Panasonic)
この換気設備を導入すれば、冬場でも換気によって暖房効率が下がることを防げます。
「温度・湿度の管理」
温度と湿度の管理はシックハウス症候群と関わりないと思われがちですが、ダニ・カビの発生抑制には欠かせません。
ダニは、温度が20〜30℃、湿度60%以上の環境を好み、この条件が揃うと一気に繁殖力が高まります。
一方、カビも同じような温湿環境を好み、室温20〜35℃、湿度80%以上になると活性化し、逆に湿度60%以下の場所では生息できないと言われています。
つまり、カビやダニなどの生物要因を排除するためには、室内の温度や湿度を適切な状態に保たなくてはいけないということです。
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「原因物質の排除」
現代の一般的な住宅に用いられる建築材料には、多くのシックハウス原因物質が含まれています。
その一部は建築基準法で使用量が制限されているものの、微量でも発症する方もいますし、そもそも規定されていない原因物質は数多くあります。
特に気をつけなくてはいけないのが、室内の内装材。
接着剤を使用する家具・床材・壁紙はもちろん、無垢材であっても防腐剤などに原因物質が含まれている可能性もあります。
(引用:三菱電機)
これらの化学物質を含まない材料を使用することで、シックハウス症候群の発症リスクを大幅に抑えることができます。
フォレストブレスは、「自然素材」にこだわった高品質な住宅を数多く手掛けてきました。
“本当に快適な家に住んでほしい”という想いから、家づくりに以下のものを使わないことをお約束します。
- ・化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
- ・防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
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まとめ
建築基準法が改正されて以降、シックハウス症候群の発症件数は減りましたが、やはりそれでもゼロになった訳ではありません。
小さいお子さんや化学物質に敏感な方にとっては、微量でも健康被害をもたらす可能性があるのです。
適切な換気計画や、室温・湿度の管理は重要ですが、原因物質をできるだけ使わない“自然素材”にこだわることもポイント。
私たち“フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
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