木造住宅のメリット・デメリットは?在来軸組工法・枠組壁工法の特徴や他構造との違い
「木造住宅は多いが、我が家も本当にそれでいいのか不安」
「他の構造と木造で迷っているが、決め手が分からない」
そうお考えの方も多いはずです。
そこで、今回は木造住宅のメリット・デメリットや、他の構造との違いについて詳しくお話しします。
これからマイホームを建てる方は、ぜひ参考にしてください。
● 木造住宅は、他構造の住宅と比べて、環境面・コスト面・快適面でメリットがあります。
● 材料にまでこだわれば、補助金を利用できる可能性があります。
● 私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った経験を活かし、自然素材や省エネにこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
木造住宅の割合は?
住宅街を歩いていると、木造住宅の家を多く見かけますよね。
木造住宅の割合は、昭和53年時点で81.7%もありました。
つまり、築30年を超える住宅が建ち並ぶエリアにおいては、ほとんどが木造住宅であるということです。
その後、大手ハウスメーカーが木造以外の工法を採用し始めたことで、「木造率」は、一時期50%以下まで低下しましたが、平成21年以降は57%前後をずっと推移し続けています。
(引用:国土交通省|木造住宅の新設着工戸数の推移)
1980年代以前よりも木造率が下がっている原因は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の普及が進み、木造とのコスト差が縮まったことが考えられます。
ただし、上グラフを見ても分かる通り、木造住宅以外の住宅(非木造住宅)の数には年度によってかなりばらつきがあり、木造住宅数は平成12年から令和2年の間で、それほど数に変化はありません。
なぜなら、コンクリートや鋼材を多く使用する非木造住宅は、材料コストの変動が大きく、消費者の購買意欲にも浮き沈みがあるからです。
また、経済状況の悪化によってアパートやハイグレードな分譲住宅の着工件数が落ち込み、これらの多くを占める非木造住宅の戸数に影響を及ぼしていることも考えられます。
木造住宅のメリット
では、多くの方が木造住宅を選ぶ理由はどのような点にあるのでしょうか。
メリットを一つずつ詳しく見てみましょう。
木材は断熱性が高い
木材は、建築材料の中でも特に断熱性が高く、熱伝導率(熱の伝えやすさを表す数値)を比較しても、群を抜いて低いことが分かります。
物質 | 熱伝導率(W/m•K) |
アルミニウム | 236 |
鉄 | 83.5 |
コンクリート | 1.6 |
ガラス | 0.55〜0.75 |
石膏ボード | 0.17 |
乾燥木材 | 0.15〜0.25 |
熱伝導率は低ければ低いほど熱を通さないため、木材を使う木造住宅は、外気温の影響を受けにくく、空調効率をキープできるということです。
他構造より建設コストが安い
国税庁の公表している「地域別・構造別の工事費用表(1m2当たり)【令和5年分用】」によると、最もコストの高い鉄筋コンクリート造と最もコストが安い木造では、1m2当たり10万円もの差があります。
構造種別 | 全国平均工事費用(1m2当たり) |
木造 | 17.7万円 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造) |
26.5万円 |
鉄筋コンクリート造 (RC造) |
27.8万円 |
鉄骨造 (S造) |
27.2万円 |
木造住宅の建設コストがリーズナブルな理由としては、以下の点が挙げられます。
- ・材料の単価が安い
- ・構造体の重量が軽いため、基礎などを簡略化できる
- ・加工に大掛かりな重機が必要ない
- ・乾燥期間(養生期間)が必要ないため、工期が短い
火災時に倒壊するまでの時間が長い
消防庁の調べによると、火災で亡くなった方のうち「逃げ遅れ」が原因のケースは46.9%にも上ることが分かっています。(参考:総務省消防庁|令和3年版 消防白書)
家族の安全を守るためには、火を起こさないことは当然ですが、万が一火災が発生した際も、避難する時間を確保することが重要です。
あまり知られていませんが、木造住宅は鉄骨造と比べると、火災発生から倒壊するまでの時間が長いとされています。
「木造住宅は火に弱く、鉄骨住宅は火に強い」と思うかもしれませんが、実はそうではないのです。
木材は、燃えると外周から炭化して酸素が中心部まで行き渡らなくなって鎮火しますが、鉄骨は600℃まで温度が上がると強度が半減し、最終的には柔らかくなり曲がってしまうからです。
このような材料特性から、木造住宅は燃え進んでも構造体が一気に崩れ落ちるまでかなり時間がかかります。
健康面で有利・快適性が高い
木材は、断熱性が高いだけではなく、空気中の湿気を吸収・放出する調湿性をもちます。
そのため、室内の仕上げ材に用いると、快適な湿度に保ってくれます。
また、耐衝撃性・吸光性(紫外線を吸収する)・吸音性(音を適度に吸収する)がある点もポイントです。
木の香りによる鎮静効果・リラックス効果も研究にて立証されています。
(参考:林野庁|木材は人にやさしい)
これらのメリットは、木造住宅に限った話ではなく、他構造であってもインテリアに木材を用いることで得られます。
建設から解体までの省エネ性が高い
木材は、鉄やコンクリート等の建築材料と比べて、製造や加工の過程で必要となるエネルギー量が少ないという点が特徴です。(参考:林野庁|木材利用の動向(1))
また、建設時・解体時にも重機の使用量が少ないため、ライフサイクルにおいて省エネ性が高いとされているため、近年は住宅以外の中規模・大規模施設においても、木造化が進んでいます。
二酸化炭素の固定量が多く排出量が少ない
木は、成長の過程で二酸化炭素を多く吸収し、炭素化合物として固定します。
一度固定された二酸化炭素は、木製品や木造住宅へ使われても、燃えない限り空気中に戻ることはありません。
「木材は木を伐採するから、二酸化炭素固定量を減らしてしまうのでは」という考えが浮かぶかもしれませんが、森林は木を定期的に伐採して植林することで活性化します。
(引用:林野庁|木材の利用の促進について)
そのため、森林を守るためにも、定期的に木材として活用し続けることが重要と言えます。
もう一点、特筆すべき点が、建設までの二酸化炭素排出量が他の構造よりも少ないという点です。
木造住宅が増えれば増えるほど、住宅建設における二酸化炭素総排出量を削減できます。
廃材をリユース・リサイクルできる
住宅に使われる建築材料のうち、「木材」は環境負荷が少ない資源で、“エコマテリアル”です。
◆エコマテリアル
エコロジーを念頭においた材料、すなわち、作り出すとき、使っているとき、また、使い終わったときも、資源の保護・再利用、地球環境保全、省エネルギーなどを考慮した材料のこと。(引用元:環境庁|木材の活用による環境保全について)
木材は他の材料よりも建築現場で使われるまでのエネルギー消費量が少なく、さらに廃材になった後も、木質ペレットや製紙用パルプ、バイオマス燃料などにリユース・リサイクルできる貴重な材料です。
〈おすすめコラム〉
木造住宅のデメリット・弱点とその解決方法は?
木造住宅にはメリットがある一方で、事前に知っておくべきデメリットや欠点もあります。
後悔のないマイホームを実現させるためには、ぜひ解決方法と合わせて知っておきましょう。
防音性・遮音性が低い
木造住宅の気密性はどんどん高まっているため、以前ほどではないものの、やはり鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造と比べると、防音性・遮音性は劣ります。
なぜなら、木材は材料密度が低く、コンクリートは材料密度が高いからです。
外部の騒音や室内からの音漏れを軽減したい場合は、防音性・遮音性の高い窓ガラスを採用するなどの対策をとりましょう。
湿気に弱くシロアリ・腐朽対策が必須
木造住宅の寿命を縮めてしまう要因が、シロアリ被害と腐朽です。
柱や土台などの湿度が上がると、一気にシロアリや腐朽菌が発生してしまいます。
少しでも家を長持ちさせるために重要なポイントは、以下の通りです。
- ・水分を含んだ地盤は避ける
- ・床下を換気して湿気をとどまらせない
- ・定期的に防蟻工事を行う
品質にバラつきが出やすい
木材は、材料の保管状況によって品質が変わる上に、現場加工をすれば、施工会社によって仕上がりに差が出てしまいます。
そのため、他の構造と比べて、より一層会社選びが肝心だということです。
建築会社を選ぶ際は、実績が豊富な会社を選びましょう。
寿命が短い
鉄筋コンクリート造の寿命は65年〜100年以上とも言われており、鉄骨造の場合は、50~60年程度とされています。
一方、木造住宅の寿命は今まで30〜40年程度と考えられてきました。
そのため、「木造住宅=短命」というイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、近年は工法の技術革新が進んでおり、木造住宅の寿命が伸びてきています。
国土交通省の公表によると、木造専用住宅の平均寿命は、1997年時点では43.53年だったものの、2011年にはなんと65.03年にまで上昇しています。(参考:国土交通省|【指針参考資料1】住宅に関する価格評価手法)
つまり、他の構造と比べても、決して引けを取らないということです。
むしろ、メンテナンスや部分補修においては、自由度が高いため、こまめな手入れが行き届やすいと言えるでしょう。
〈おすすめコラム〉
住宅へ用いられる「在来軸組工法」と「枠組壁工法」の違い
木造住宅と言っても、その工法はいくつかに分けられます。
それぞれ特徴が異なり、建築会社によって得意とする工法も違いますので、どちらを選ぶかじっくり検討してください。
在来軸組工法
最も歴史の古い工法で、基礎の上に柱・梁・筋交など“棒状”の構造体を組み合わせ、フレームで建物荷重を支えます。
メリットは、比較的コストが安く、最も一般的な工法であるため建築会社の選択肢が多い点です。
また、フレームに支障がなければ、後から間取り変更しやすい点も魅力と言えます。
ただし、現場加工が多いため、工場でユニット化された規格住宅と比べると工期は少々長くなる点は注意しましょう。
枠組壁工法
アメリカを中心に普及している工法で、2インチ × 4インチの角材と合板を工場で加工し、それを現場で箱状に組み立て、建物荷重を支えます。
ツーバイフォー工法やパネル工法と呼ばれることも多いです。
メリットは、面で構成されているため、地震力や台風力への耐力が高く、システム化されているため現場加工が少なく、工期が短い点です。
ただし、建築会社は在来軸組工法よりも少なく、面で荷重を支えているため、将来あまり間仕切り壁を移動したり撤去したりできません。
国産材・地域材利用で補助金の対象に
政府は、カーボンニュートラル・脱炭素の実現に向けて、建築物の木造化を進めていますが、その中でも特に力を入れているのが「国産材・地域材」の活用です。
国内、特に地域を限定して伐採された木材を利用することで、運搬時のエネルギー消費量・二酸化炭素排出量を削減でき、林業や製材業、ひいては地方経済を活性化させることが期待されています。
※詳しくは「国産木材で住宅を建てるメリット・デメリット|国産材は本当に価格が高い?」をご覧ください。
そのため、各自治体は、国産材・地域材を活用した木造住宅へ補助金を支給しています。
木造住宅を新築する際は、利用できる補助金がないか、建築会社へ確認しましょう。
〈補助事業の例〉
奈良の木を使用した住宅助成事業(県外の住宅でも対象)
“フォレストブレス”は、国産材を使った家づくりにこだわっています。
木材会社「渡辺木材」として創業以来培った“目利き力”を生かし、産地、樹種を見極めて、高品質な木材を選定できるのが、私たちの強みです。
まとめ
木造住宅は、他の構造よりも環境負荷が少なくリーズナブルで、古くから日本に根付いているため、信頼度が高い点が魅力です。
また、断熱性や調湿性もあることから、快適な住環境を整える上でも有利と言えるでしょう。
材料を国産材・地域材にこだわれば、補助金をもらえる可能性もあります。
エコ住宅を目指すなら、ぜひ木造住宅をご検討ください。
私たち“フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
「小さな家でコトを愉しむくらし」をコンセプトに、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。
「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ
フォレストブレスは、「自然素材」と「あつらえ設計」にこだわった高品質な住宅を数多く手掛けています。
“本当に快適な家に住んでほしい”という想いから、家づくりに以下のものを使わないことをお約束します。
- ・化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
- ・防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
- ・ビニールクロス・廃棄時有害なもの
お客様の住まい方や個性、価値観に寄り添い、“あなただけの住まい”をご提案します。
「呼吸が深くなる家」それこそ私たちが追求する快適なマイホーム。
オーガニックな暮らしを実現したい方は、ぜひご相談を。
定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。