“サスティナブル住宅”とは?環境に優しい住まいの条件について解説
最近、毎日のように耳にするSDGsというキーワード。
その根底にあるのが「サスティナブル(持続可能性)」という考え方です。
私たちの生活に欠かせない衣食住について、そのサスティナビリティが求められています。
しかし、具体的にどのような住宅がサスティナブルなのか、あまりイメージできないという方も多いでしょう。
そこで、今回は「サスティナブル住宅」の概念やポイントを詳しく解説します。
「環境に優しい家を建てたい」「長寿命住宅に興味がある」という方は、ぜひ参考にしてください。
●サスティナビリティ(持続可能性)が高い住宅は、長寿命になる可能性が高く、長期優良住宅との共通点もあります。
●私たち“フォレストブレス”が、1934年創業以来木材会社として培った知識・経験を活かし、自然素材にこだわった“あなただけの住まいづくり”をお手伝いします。
Contents
サスティナブル=SDGs?住まいとの関係は?
街中やメディアで見かけることの多い“SDGs”という言葉ですが、これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略語です。
要約すると、長きに渡って地球環境が維持できるようにするためのスローガン。
各業界が、関連する目標に向かい、具体的なビジョンを立てています。
“サスティナブル”は、まさにSDGsの根幹と言って間違いありません。
(引用:外務省|持続可能な開発目標(SDGs)達成に 向けて日本が果たす役割)
では、住宅業界においては、どのような目標が掲げられているのでしょうか?
ここで参考となるのが、「サスティナブル建築」の考え方です。
サステナブル建築とは、設計・施工・運用の各段階を通じて、地域レベルでの生態系の収容力を維持しうる範囲内で、
(1)建築のライフサイクルを通じての省エネルギー・省資源・リサイクル・有害物質排出抑制を図り、
(2)その他地域の気候、伝統、文化および周辺環境と調和しつつ、
(3)将来にわたって人間の生活の質を適度に維持あるいは向上させていくことができる建築物を構築することを指します。
(引用:一般社団法人 日本建設業連合会)
つまり、サスティナブル建築に必要なポイントは、以下の3つということです。
- ・省エネルギーなど地球環境へ配慮していること。
- ・周辺地域に溶け込み、文化的にも調和を取るための工夫がなされていること。
- ・生活の質を維持向上させるための工夫がなされていること。
漠然としていると思う方もいるかもしれませんが、簡単に言えば、「地球環境」「周辺環境」「生活環境」を維持するための設えを備えている建築物を指し、以下8つの性能に長けていることが求められます。
- 【安全性】住む人や周辺の人の安全性を確保する
- 【防災性】地震や台風などの自然災害に対して高い体力を持つ
- 【省エネ性】地球環境への負荷を最小限に抑えられる断熱性などを持つ
- 【快適性】光環境・音環境・空気環境・インターネット環境など、生活に欠かせない状態が保てる
- 【利便性】リモートワークや子育て、介護など、住む人のライフスタイルに適応できる間取り計画や設備がある
- 【更新性・可変性】家族構成やライフスタイルの変化に順応できる
- 【耐久性】何世代にも渡り住み継ぐことができる強度がある
- 【健康性】住む人が健やかに過ごせる室内環境が整っている
これらの性能を全て兼ね備えた住宅こそ、長期間暮らせる“長寿命住宅”と言えます。
国土交通省では、住宅の寿命を延ばす“200年住宅"の普及を進めるために、住宅の建設やリノベーションを含む維持管理、 流通、住宅ローンなどの資金調達等のマイホーム取得の各ステップにおいて、包括的な取り組みを実施しています。(参考:国土交通省|住宅の寿命を延ばす「200年住宅」への取組)
なぜなら、住宅の寿命を伸ばして建物の解体・建築数を減らすことで、産業廃棄物量や、重機稼働や材料運搬に伴う消費エネルギー・CO2排出量の削減につながることが期待されているからです。
そのため、住宅の“持続可能性”を高めることで、環境面での効果が期待できます。
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サスティナブル住宅にするためのポイントは?
では、【安全性・防災性・省エネ性・快適性・利便性・更新性(可変性)・耐久性・健康性】を備えた住宅とは、具体的にどのような住まいを指すのでしょうか?
ここでは、サスティナブル住宅にするためのポイントを紹介します。
その① 高耐震性を実現する構造体
地震や台風などの災害リスクが高い日本において、その住宅を長期間維持するためには、やはり耐震性が欠かせません。
「建築基準法を守っていれば安心」と思っている方もいますが、これは少々違います。
なぜなら、日本の建築基準法が定めているのは、あくまでも“最低基準”だからです。
できれば、耐震等級3以上の性能を持つ住宅にすることをおすすめします。
耐震等級3とは、震度6強の地震でも軽い損傷のみで済み、生活が継続できる程度の耐震性を持つレベルの住宅です。
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その② できるだけ環境負荷の少ない材料を使う
住宅と言っても、その構造は木造やRC造、S造など様々です。
どれも一長一短ですが、環境負荷を軽減する目的でいうと、木造が段違いに効果的と言われています。
なぜなら、木材は加工過程で排出されるCO2量や消費エネルギー料が少ないから。
また、樹木が成長する間に、空気中の二酸化炭素を抱え込み、酸素を排出してくれる点もポイントです。
木材は鉄やアルミニウム等に比べ、材料製造時の炭素放出量が少ない省エネ材料である。
木造住宅1 戸あたりの材料製造時の炭素放出量は、鉄骨プレハブ住宅などよりも低位である。
また、木材の乾燥重量の約半分は炭素。森林は、空気中の二酸化炭素を吸収し炭素を貯蔵しているが、木材そのものも、伐採後に利用されている時でも森林と同様に炭素を貯蔵。
木材製品を増やすことは、 温暖化を抑制することとなる。
(引用:林野庁|環境への配慮)
特に、日本国内で伐採・加工される”国産材”や、さらに地域を限定した“地産材”は、運搬エネルギーが少ない上に、国内経済・地域経済の発展を導くことが期待できます。
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その③ 消費エネルギーを“実質ゼロ”に近づけるための断熱設計と省エネ設備
消費エネルギーを“実質ゼロ”に近づけることで、地球温暖化などの問題抑制に寄与できます。
また、限りある化石燃料に頼らない生活が送れる可能性も高まるでしょう。
エネルギー量を“実質ゼロ”にするためには、消費エネルギーを減らすだけではなく、自然エネルギーを生み出す設備も必要です。
断熱性を高めて空調効率を上げ、さらに太陽光発電を採用するなど、「消費エネルギー(マイナス)の削減・創エネルギー(プラス)の増加」を実現できる方法を建設会社と検討しましょう。
最近は「エネルギー収支をゼロ以下にする」ことをコンセプトに掲げた“ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)”の普及が進んでいます。
また、太陽光発電に加えて、地中熱利用や雨水利用システムを導入する住宅も、決して少なくありません。
(引用:経済産業省資源エネルギー庁)
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その④ 日射・通風を取り入れて快適な室内環境を整えるパッシブデザイン設計
いくら消費エネルギーを抑えたと言っても、設備機器だけに頼っては、停電時などに弊害がでてしまいます。
そこで、最近注目されているのが「パッシブデザイン」です。
建物をとりまく自然エネルギーや作用(日射熱や自然風)をうまく取り入れて消費エネルギー量を減らす設計手法で、省エネを実現しつつも快適な室内環境を作れます。
また、省エネ効果だけではなく、光熱費削減というメリットももたらしてくれるはずです。
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その⑤ 住む人の生活に合わせてカスタマイズされた間取り計画
家の持続可能性を高めるためにも、使いやすい収納計画やご家庭の生活に合わせてカスタマイズされた間取りは欠かせません。
リモートワークをするための作業スペースや、お子さんのリビング学習用カウンターなど、ライフスタイルや考え方によって、必要となるスペースは異なるはずです。
最近は、高齢になった時を見据えて、平屋を選ぶ方も増えています。
そのため、ずっと住み続けられるマイホームにしたい場合には、今の生活だけではなく、10年後・20年後も見据えたプランニングが必要です。
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その⑥ 家族構成やライフスタイルの変化に合わせて改修しやすい可変性
お子さんが独立したり、親世帯と同居することになったりなど、10年・20年も経てば、家族構成に多少の変化があるのが通常です。
また、退職をきっかけに、ご主人が趣味を楽しむための部屋が必要となる可能性もあるでしょう。
このように、今住みやすい家でも、それが未来永劫続くとは限りません。
そのため、間取りを変えやすくしておくことも肝心です。
例えば、将来、簡単な工事だけで1部屋を2部屋にできたり、構造体にできるだけ影響を与えずに間取り変更できるようにしておくことをおすすめします。
最近は、戸建住宅においても「高耐久な構造体(スケルトン)」と、「間仕切り壁や内装(インフィル)」を切り分けて設計する「スケルトン・インフィル(Skeleton-Infill・SI)」という設計手法を取り入れる事例が増えています。
間取りを小規模の工事で変更できるようにしておけば、親子3代・4代と一軒の家を住み継ぐことは決して難しくないでしょう。
その⑦ 建物を維持管理しやすい設備や修繕計画
住宅の持続可能性を高めるためには、やはり適切なメンテナンスが欠かせません。
いくら新築時に高性能であっても、お手入れしなければ、それを維持できないのです。
ただし、行き当たりばったりで計画性なくメンテナンスしてしまうと、コスト面や工期面で無駄が出てきてしまう可能性は否めません。
効率良く正確に住まいをメンテナンスするためにも、新築時に修繕計画(スケジュール)を作成したり、見えない部分の定期点検をしやすいように、床や天井に点検口を設置しておくのがおすすめです。
しっかりと修繕計画を作っておけば、工事費用を計画的に積み立てることもできます。
その⑧ 住む人の健康を意識した建材の選定
2003年に改正された建築基準法によって、ホルムアルデヒドやクロルピリホスなど、一部のシックハウス原因物質の使用禁止が義務付けられました。
しかし、これらの物質は健康被害をもたらす物質のうちの一部に過ぎません。
化学物質に敏感な方は、その他の物質でも体調不良を引き起こす可能性があります。
そのため、建築材料、特に内装材を選ぶ際には、できるだけ化学物質を含まない自然素材を選びましょう。
できるかぎり人工的な化学物質を含まない「自然素材」にこだわります。
▶︎フォレストブレスの自然素材について
サスティナブル住宅を目指すなら「長期優良住宅」もおすすめ・補助金利用も
サスティナブル住宅にするために押さえるべきポイントの大半を満たした住宅が、「長期優良住宅」です。
政府は、この長期優良住宅の普及を推進しており、所管行政庁から認定を受ければ、税控除やローンの金利引き下げ、地震保険の割引などが適応されます。
長期優良住宅認定制度は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅の建築・維持保全に関する計画を「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき認定するものです。
平成21年6月4日より新築を対象とした認定が開始され、平成28年4月1日からは既存住宅の増築・ 改築を対象とした認定も開始されました。
さらに、令和4年 10月1日には既存住宅について建築行為を伴わない認定が開始されました。
ただし、補助金を申請するのに必要な書類を建設会社に作成してもらったり、代理申請してもらったりする必要があるため、必ず申請実績のある会社を選びましょう。
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まとめ
住宅のサスティナビリティ(持続可能性)を高めるためには、耐久性や快適性、可変性など、様々な視点で家の性能や間取りについて検討しなくてはいけません。
ただし、持続可能性が高まることは、家の寿命が伸びることを意味します。
長きに渡り住み続けられる住まいにしたい方は、ぜひサスティナブル住宅をご検討ください。
環境に配慮し、快適な暮らしが送れる家を建てたい方は、施工実績の豊富な会社へ相談しるのがポイントです。
私たち“フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
「小さな家でコトを愉しむくらし」をコンセプトに、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。
「自然素材の家」を建てるなら茨城県石岡市のフォレストブレスへ
フォレストブレスは、「自然素材」と「あつらえ設計」にこだわった高品質な住宅を数多く手掛けています。
“本当に快適な家に住んでほしい”という想いから、家づくりに以下のものを使わないことをお約束します。
- ・化学物質を含む接着剤を使用した合板、集成材
- ・防蟻防腐剤注入土台・グラスウール
- ・ビニールクロス・廃棄時有害なもの
お客様の住まい方や個性、価値観に寄り添い、“あなただけの住まい”をご提案します。
「呼吸が深くなる家」それこそ私たちが追求する快適なマイホーム。
オーガニックな暮らしを実現したい方は、ぜひご相談を。
定期的に見学会などのイベントも開催しておりますので、ぜひ私たちの家づくりをご体感ください。