国産材が使われない理由|弊社の国産材の利用量を増やすための取り組み
国産材を使用している住宅会社が少なくて「国産材が使われない理由は何だろう?」と気になっていませんか?家族で楽しむ家づくりでは、木材や壁材など素材にこだわりたいですよね。
今回は、自然素材の家づくりを得意とするフォレストブレスが、住宅会社で国産材が使われない理由について解説します。
●国産材が使われない理由は「価格」「供給量」「取り扱いの難しさ」があります。
● 国産材を使用すると耐久性が高い家づくりができるなどのメリットがあります。
● フォレストブレスは国産材を使用した家づくりを普及する取り組みをしている会社です。
この記事を読めば、国産材と輸入材(外材)の特徴を理解できるようになるため、お役立ていただけると幸いです。
国産材が使われない理由
日本の住宅は国産材ではなく、輸入材(外材)で建てられたものが多いです。国産材が使われない理由は4つあります。
国産材の価格は高いイメージが定着している
業界全体で国産材の価格は高く、輸入材(外材)は安く仕入れられるイメージが定着しています。
2020年より以前は輸入材の価格は40,000円/m³ で、国産材の価格は60,000円~80,000円/m³ でした。つまり、輸入材を安く仕入れることができました。
しかし、新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ戦争などで社会情勢が変化し物価上昇や原油価格高騰が起きており、輸入材の価格は60.000~80,000円円/㎡と高騰しています。つまり国産材の価格と大差がなくなってきました。
長い間、輸入材(外材)が安く仕入れることができたため「国産材の価格は高い」とイメージが定着していることが、住宅会社で使われない理由の1つとなっています。
国産材と外材の価格推移について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『国産材と外材の違いや価格推移について“木材のプロ”が解説』
必要な量を確保できない
国産材は必要な量を確保しにくいです。なぜなら、日本の林業経営者が事業規模の拡大を考えても事業地を確保することはできません。そのため、需要がある分だけ供給を増やすことはできません。
必要な量を確保しにくいため、大手ハウスメーカーは国産材への切り替えが行えないのです。必要な量を確保できないことも、住宅会社で国産材が使われない理由の1つとなっています。
乾燥材の入手が難しい
伐採直後の国産材は多くの水分を含んでおり、乾燥させるまでに時間がかかるため、乾燥材の入手が難しいです。
伐採直後の含水率は150~200%であり、20%以下になるまで乾燥させなければいけません。
日本農林規格では含水率20%以下のものを「SD20」、含水率15%以下のものを「SD15」と記載することが定められているなど、品質基準が設けられています。
天然乾燥の場合は、半年から1年ほどの期間が必要となり、乾燥材の入手が難しいことも住宅会社で使われない理由の1つです。
国産材の品質が安定しない
日本の森林は丘陵地にあり、日当たりの影響で曲がっている木材が多く見受けられます。そのため、国産材を扱う場合は高い加工技術が必要になります。
国産材の見た目だけでなく強度や質を見て、適材適所に割り当てる必要があります。そのため、国産材を使用した住宅を建てる場合は、木材に関する知識と施行力が必要です。国産材を使用した家づくりは難易度が高いため使用されにくいのです。
日本の国産材自給率と31%と低い
国産材を使用した住宅や家具を見かけますが、日本の国産材自給率は31%と低いです。一般社団法人日本木造住宅産業協会『住宅メーカーが国産材を使用しない理由』では、以下のような理由があげられています。
- 外国産材に比べて価格が高い 約65%
- 必要なときに必要な量を確保できない 約40%
- 外国産材に比べて強度など品質が劣る 約35%
- 量が大きくなると価格が上がる 約20%
- JASや含水率、ヤング率の表示がない 約10%
- 乾燥材の入手が難しい 約10%
引用:『林野庁 グリーン成長のカギを握る木材需要拡大と木材産業の競争力強化』
つまり、住宅会社は品質の高い国産材を確保できないため、輸入材(外材)を使用しています。
国産材と輸入材(外材)の比較|価格・流通量・機能性
国産材 | 輸入材(外材) | |
価格 | 高い | 安い |
流通量 | 少ない | 多い |
機能性 | 高い | 低い |
住宅会社では輸入材(外材)を使用していますが、後悔しない家づくりのために国産材と外材の違いを確認しておきましょう。
国産材は流通量が少ないため、価格が高い傾向があります。しかし、日本の気候風土の中で育った樹木は意匠性や耐久性が高いです。
国産材を使うメリット
国産材を使うメリットは4つあります。
湿度の調整ができる
国産木材は調湿性が高い素材です。空気中の湿度が高いときは水分を吸収し、湿度が低いときは水分を放出する調湿作用を持っています。そのため、フローリングや壁などに国産材を使用すれば、部屋の中の湿度の変動は小さくなり、快適に過ごせるようになります。
調湿作業について詳しく知りたい方は、下記の記事をお読みください。
関連記事:『“調湿”とは?住環境にもたらす効果やおすすめ建材を解説』
家の耐久性を高められる
日本の気候風土の中で育った樹木は耐久性が高いです。なぜなら、国産材は季節によって気温や湿度に変化がある中で成長しているため、日本の気候に対応できるためです。
輸入材(外材)は日本に輸入されてから、初めて高温多湿の気候を体験するため腐ったりヒビ割れしたりします。そのため、家の耐久性を高めたい人には国産材をおすすめします。
薬剤が使用されていない
国産材は薬剤が使用されていないため、シックハウス症候群が気になる方におすすめです。
輸入材(外材)の場合は、輸入時に腐らないように防腐剤を使用されていたり、害虫が発生しないように防虫剤が使用されており、シック症候群を発症する恐れがあります。少しでも不安がある方は、化学物質が含まれていない国産材を選ぶとよいでしょう。
年輪がキレイ
国産材は輸入材(外材)と比較すると年輪がキレイです。なぜなら、四季があり寒暖差が激しい日本の樹木はゆっくりと成長するためです。
海外では温度が一定で樹木がストレスなく早く成長します。その結果、年輪が薄くあまり見えません。そのため、年輪がキレイな木材を使用したい方におすすめします。
国産材を使うデメリット
国産材を使うデメリットも2つあります。
価格が高い
国産材は供給量が少ないため、価格が高くなりがちです。住宅会社によって、輸入材(外材)から国産材に変更するだけで価格が上がり驚く方も多くいるでしょう。
2020年以前は輸入材の価格が40,000円/㎡で、国産材の価格60,000円~80,000円/㎡と1.5~2倍ほど価格が高くなっていました。社会情勢の変化で価格の差がなくなっているため、国産材で家づくりしたい方はベストタイミングと言えるでしょう。
木材選びが難しい
国産材は日本の気候風土の中で育っているため含水率が高いため、よく乾燥させなければいけません。
乾燥させないと変形や割れが起こりやすくなるため、シッカリと乾燥されている木材を選ぶ必要があります。
プロでなければ国産材の質は見極めにくいです。そのため、国産材に詳しい専門会社に相談することをおすすめします。
国産材で住宅を建てるメリット・デメリットについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:『国産木材で住宅を建てるメリット・デメリット|国産材は本当に価格が高い?』
国産材の利用量を増やすための弊社の取り組み
フォレストブレスでは、国産材を使用した家づくりを得意としている住宅会社です。弊社では国産材の利用量を増やすために、以下のような取り組みを行っています。
仕入れコストを削減
フォレストブレスは、お客様が家づくりで国産材をふんだんに使用できるように、仕入れコストのカットをしています。弊社は渡辺木材を経営しており、ナラ・松・杉・ヒノキなどの国産材を取り扱っています。
一般的な住宅会社と仕入れルートが大きく異なり、中間マージンをカットしてリーズナブルな価格で国産材を提供することが可能です。
国産材の性質を活かした家づくり
フォレストブレスは、明治創業以来こだわりと責任を持って木造住宅建築を請け負ってきました。
木造の断熱性や調湿性が高いことを加味した、お客様が健康的に安心して暮らせる家づくりを得意としています。使用する木材にこだわりたい方にはアドバイスさせて頂きますので、お気軽にご相談ください。
品質の高い木材を使用
フォレストブレスで取り扱う国産材は、自然乾燥または低中温式の人工乾燥させた木を選んでいます。ゆっくりと時間をかけて水分を抜くことで、キレイな艶が出ます。国産材を安心・安全に使用するため、含水率20%以下の品質の高い木材を提供しています。
まとめ
住宅会社で国産材が使われない理由は、供給量が少なく輸入材(外材)より価格が高いためです。また、国産材を使用した家づくりでは施行力が必要となります。
日本の気候風土の中で育った樹木は耐久性や意匠性が高いです。薬剤も使用されていないため家族の健康を考えた家づくりをしたいとお考えの方に向いています。
「国産材を使用した家を建てたい」
そんな方は、ぜひ”フォレストブレス”へご相談ください。
1934年に木材会社として創業して以来培った知識と経験を活かし、お客様の夢を叶えます。
自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、ぜひ私たちの“暮らしの提案”をご覧ください。