縁側のある家のメリット・デメリット|種類・間取りのポイント、施工事例など紹介
縁側のある家は、伝統的な日本家屋の美しさと開放感があるなどのメリットの他にも「風通しのよさ」など実用的なメリットもたくさんあります。
ただし、いくつかのデメリットもありますので、「縁側のある家に住みたい!」とお考えの方は、デメリットを把握し、対策を講じることも大切です。
今回は、縁側のある家の施工実績が豊富な"フォレストブレス”が縁側の家のメリット・デメリットや実際の施工事例などを紹介します。
「縁側のある家のメリット・デメリット」を事前に把握したい方は、ぜひ参考にしてください。
●縁側のある家のメリット・デメリットについて解説します。
●縁側にはたくさんの種類があります。目的に合わせて縁側の種類を決めましょう。
●実際に縁側を取り入れた施工事例を紹介します。
Contents
縁側のある家のデメリットと対策
縁側のある家には、いくつかのデメリットがありますが、事前にデメリットを把握し、対策を講じることで失敗しない縁側のある家づくりをすることができます。
まずは、デメリットと対策を把握しましょう。
スペースの確保が必要
一般的に縁側を設けるには、奥行き90~120cmほどのスペースが必要ですが、土地面積が限られている際には、室内に縁側を設けると建ぺい率に含まれるため、部屋に使える面積が狭くなります。
このように、縁側のある家をつくるにはある程度広い土地が必要になりますが、以下のようなアイデアが対策として有効です。
- ・屋根なしの縁側・3方向が開放的な縁側なら建築面積に含まれない
- ・60cm程度の小さな縁側を設ける
プライバシー・防犯対策が必要
縁側のある家は、開放的であるが故に外からも室内が見えやすいというデメリットがありますので、プライバシー対策や防犯対策を講じる必要があります。
例えば、以下のようなプライバシー・防犯対策がおすすめです。
- ・外構にゲートなどを設ける
- ・雨戸・シャッターを設置する
- ・防犯カメラ・人感センサーなどの設備を導入する
- ・目隠しになる植栽を植える
維持管理が大変
縁側のある家にはセットで庭を設けるのが一般的ですが、庭の手入れを怠るとせっかくの景観を楽しむことができないので、日常的に庭を手入れする作業が必要になることがデメリットです。
このような庭の手入れも楽しむことができればよいのですが、お忙しい方などには以下のような対策がおすすめです。
- ・管理しやすい植栽にする
- ・植栽は必要最低限にしてその他のスペースは砂利を敷く
メンテナンスが必要
縁側の濡れ縁、柱、梁などには木材が使われますが、特に室外の縁側は湿気・雨風・気温などによって劣化します。
特に、室外の縁側は木材保護材を利用するなど劣化進行を止める対策が必要となることに注意しましょう。
メンテナンスの手間を軽減するには、以下のような対策が重要です。
- ・日当たりのよい場所に設ける
- ・耐水性・耐久性の高い木材を使用する
縁側のある家のメリット
日本家屋に古くから設けられてきた縁側には、たくさんのメリットがありますので、それぞれ見ていきましょう。
風通しがよい
開口部を広くとり、引き戸を設けることで風通しがよい家を実現できます。
家の風通しをよくすることで、以下のようなメリットがあります。
- ・結露やカビの発生を抑えることができる
- ・快適な室内環境をつくれる
- ・光熱費を削減できる
- ・シックスハウス症候群のリスクを減らせる
特に、室内の湿度をコントロールできるので、家の中の結露やカビの発生を抑え、住宅の耐久性も向上することが大きなメリットです。
このように、縁側のある家は引き戸とセットで考えると、家全体の風通しがよくなります。
下記の記事では、縁側のある家にマッチする木製サッシについて詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。
>木製サッシに後悔するデメリットはあるのか|劣化・メンテナンスサイクル・価格など解説
夏涼しい
室内と室外の間に縁側を挟むことで、夏の強い日差しが直接室内に入るのを防ぎます。
さらに、以下のような工夫で暑い夏でも快適に過ごせます。
- ・軒・庇の出を深くする
- ・庭に木を植えて日差しを遮る
特に、軒や庇の計画は、パッシブデザインの家をつくる際にも重要なポイントになります。
以下の記事では、機械やエネルギーに頼らず、太陽光や自然風をコントロールして過ごしやすい家を実現するパッシブデザインについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
>パッシブデザインとは?メリット・デメリットと失敗を避けるポイントを解説
開放的な空間をつくれる
縁側のある家は、採光を確保しやすく、外とのつながりを持てるなど開放的な雰囲気を実現できます。
部屋全体を広く見せることができますし、室内にあるタイプの縁側の場合は縁側までをひとつの部屋のように使うことも可能です。
多目的スペースとして利用できる
縁側は、以下のように多目的なスペースとして利用できるので、利便性がよいです。
- ・コミュニケーションスペース
- ・洗濯物干し場
- ・作業場
- ・お子様の遊び場
特に、縁側は「お茶を飲みながら近所の方などと雑談する」などコミュニケーションスペースとして利用できるので、近隣の方・ご家族など気軽にコミュニケーションをとる空間として重宝されます。
このように、様々なシーンで利用できるのも縁側のメリットです。
縁側の種類
一口に縁側と言っても、様々な種類があります。
それぞれ特徴があるので、ご自身に合った縁側を取り入れるようにしましょう。
濡れ縁(ぬれえん)
濡れ縁とは、室外に設けられた縁側のことで、家の外からも内からもアクセスできるスペースとして利用できます。
ただし、雨が降ると縁側が濡れるので、定期的な木材のメンテナンスが必要です。
くれ縁(くれえん)
くれ縁とは、室内にある縁側のことで、雨の日でも庭の風景を楽しめます。
リビングの一部として一体感を持てるので、室内を広く見せる効果があります。
落ち縁(おちえん)
落ち縁とは、濡れ縁の一種で、床面が室内よりも低く設計された縁側のことを指します。
室内より床が低いので雨やホコリが室内に入りにくい特徴があります。
広縁(ひろえん)
その名のとおり、奥行きのある縁側のことを広縁と呼びます。
一般的には、奥行き120cm以上の縁側のことを広縁と呼ぶことが多いです。
狭縁(せまえん)
狭縁とは、奥行きの狭い縁側のことを指します。
間取りに余裕がない場合にも、狭縁であれば取り入れることができるのでおすすめです。
縁側のある家の施工事例を紹介
実際に縁側のある家の施工事例を紹介します。
「縁側のある家に住みたい」と考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。
室外に広い縁側(濡れ縁)を設けた施工事例
こちらは、室外に横長の縁側を設けた施工事例です。
外構には立水栓を設置してあることもあり、多目的な用途に利用できるスペースになりました。
庇の出を深くすることで、夏の強い日差しも遮蔽することができます。
開放感抜群の縁側(濡れ縁)のある家の施工事例
こちらは、開放感抜群の縁側のある家の施工事例です。
広い窓を取り入れた平屋と縁側の相性はよく、開放感があり外とのつながりのある空間を実現しました。
家庭菜園の作業場としても利用できるなど実用性もあります。
勾配天井を取り入れることで、さらに開放感が増し、素敵な空間を実現しました。
フォレストブレスには、今回紹介しきれなかった縁側のある家の施工事例が他にもたくさんありますので、ぜひごらんください。
縁側のある家の間取りのポイント
ここまで縁側のある家のメリット・デメリットなどを紹介してきましたが、ここでは縁側を取り入れる際の間取りのポイントなどを紹介します。
「縁側を取り入れなければ良かった」など後悔しないためにも、以下のポイントを意識しましょう。
縁側から見える景色を整える
縁側を取り入れるメリットとして、景色を楽しめることが大きなメリットです。
例えば、庭など縁側から見える風景が悪いと、縁側のメリットが半減しますので注意しましょう。
縁側を取り入れる目的を明確にする
縁側に種類があることは、上述しましたが、縁側を取り入れる目的を明確にして、目的に合った縁側の種類や間取りを選択することが重要です。
(例)
- 「ご近所や家族とのコミュニケーションの場をつくりたい」:濡れ縁を設ける
- 「趣味などの作業スペースとして活用したい」:濡れ縁を設ける
- 「雨の日でも家の中から外の風景を静かに眺めたい」:くれ縁を設ける
- 「夏でも涼しく過ごしたい」:縁側の庇を長くする
軒や庇の長さを検討する
縁側に庇を設けると、日差しを遮蔽することができますが、夏場の強い日差しを遮ってくれる庇の長さは90cm以上をおすすめします。
軒や庇の1mを超えた部分は、建築面積に含まれることにも注意しましょう。
縁側のある家についてのよくある質問
最後に、縁側のある家についてのよくある質問をまとめましたので見ていきましょう。
Q縁側とサンルームの違いは何ですか?
サンルームとは、雨の日でも外の景色を楽しめるガラス張りの部屋のことを指します。
これに対し、縁側とは室内と室外をつなぐ廊下のようなスペースのことです。
サンルームが独立した部屋であるのに対し、縁側は室外と室内をつなぐ空間であることが縁側とサンルームの違いです。
Q縁側とウッドデッキの違いは何ですか?
縁側とウッドデッキはどちらも庭に面してつくられるスペースであるという共通点があります。
縁側が部屋の外側に設置された通路のようなスペースで、庇に収まる狭いスペースであることが多いのに対し、ウッドデッキは家の一部ではなくテラスとして独立した構造で、広いスペースであることが多いのが特徴です。
まとめ
今回は縁側のある家のメリット・デメリットなどについて解説しました。
縁側には、開放的な空間を実現できるだけではなく、近隣の方とのコミュニケーションや作業場など多目的に利用できるのも魅力的です。
また、通気性や日射遮蔽などの性能も優れているので、「夏は涼しく、冬は暖かい」家を実現するのに役立ちます。
今回紹介した情報が、「縁側のある家に住みたい」とお考えの方の参考になれば幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。