壁材「モイス」にデメリットはある?|メリット・特徴なども紹介

壁材「モイス」にデメリットはある?|メリット・特徴なども紹介

「住宅を建てる際に自然素材にこだわりたい」とお考えの方は、壁材にモイスを取り入れるなどの工夫もあります。

モイスとは、自然素材で構成される多機能内装材・耐力面材のことで、たくさんのメリットがありますが、いくつかのデメリットもあるので注意しましょう。

今回は、自然素材にこだわった住宅の施工実績が豊富な”フォレストブレス”が耐力壁などに使われるモイスについて詳しく紹介します。

モイスの特徴や、メリット・デメリットなどを事前に把握したい方は、ぜひ参考にしてください。

 

このコラムのポイント

●壁材「モイス」とは何か?原料や特徴を解説します。

●モイスには、構造的なメリットのほかに室内環境を整える性能があります。

●「モイスにデメリットはある?」という疑問を解消します。

 

モイスとは

モイスとは消石灰・バーミキュライト・珪藻土などでつくられた内装材・耐力面材のことです。

 

モイスの原材料

消石灰:石灰石を加工したもの

バーミキュライト:蛭石の原鉱石を800℃で加熱風化処理し、10倍以上に膨張させたもの

珪藻土珪藻(植物プランクトン)が化石になったもの

 

このように、モイスは自然素材でつくられていることが大きな特徴で、調湿性など室内環境を整える性能と高い耐震性などが魅力です。

元々は、内装材として開発されたモイスですが、現在は耐力面材として耐力壁などに使用されることが多いです。

もちろん、壁材として内装に使用もできますし、高い調湿性から食器棚などに使用されることもあります。

モイスのメリット

モイスのメリット

モイスのメリットは、以下のとおりです。

耐震性など構造上のメリットの他に、調湿性など室内環境を整えるメリットがあります。

 

  • ・調湿性能がある
  • ・消臭性能がある
  • ・有害物質を含まない
  • ・気密性が高い
  • ・遮音性が高い
  • ・防火・耐火性能が優れている
  • ・地震に強い
  • ・シロアリ被害を防げる
  • ・地球にやさしい

 

調湿性能がある

自然素材でつくられるモイスは、室内の湿度が上昇すると湿気を吸収し下降すると放出します。

このように、調湿性能があるモイスは、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会の調湿建材として登録されています。

参考;一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会「調湿建材登録・表示制度」

そして、室内の湿度をコントロールすることで、以下のようなメリットがあります。

  • ・結露を防止する
  • ・カビ・ダニの発生を予防する
  • ・快適に過ごせる

 

特に、結露を防ぐことで住宅を長持ちさせることができるのは、モイスを壁材として取り入れる大きなメリットです。

 

自然素材の調湿性能については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。

>“調湿”とは?住環境にもたらす効果やおすすめ建材を解説

消臭性能がある

モイスは、多孔質であるため消臭・脱臭効果があります。

家の中の不快な「トイレ臭」「生ごみ臭」「下駄箱臭」など生活臭の軽減効果があるので、快適に生活できますし、有害物質(VOC)の吸着効果もあります。

有害物質を含まない

モイスは、自然素材でつくられているため、有害物質を含みません。

また、接着剤なども使用しておらず、シックハウス症候群などのリスクを軽減できます。

 

シックハウス症候群については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。

>シックハウス症候群の対策とは?新築・リフォームの際に知っておくべきポイントについて

気密性が高い

モイスは石膏ボードや合板と比べ、気密性が高い建材ですから、耐力壁として採用することで、冬場の冷気や夏の熱気が室内に侵入するのを抑えることができ、住宅の断熱性能が向上します。

また、住宅の断熱性能をさらに向上させるには、同時に断熱材などの選定も重要です。

モイスは、自然由来のセルロースファイバーや羊毛断熱と相性がよいので、モイスと組み合わせる断熱材として検討してみてはいかがでしょうか。

 

以下の記事では、セルロースファイバーや羊毛断熱について詳しく紹介していますので、ぜひごらんください。

>【断熱材】セルロースファイバーを選んで後悔しない?メリット・デメリットを解説

>羊毛(ウール)の断熱材とは?メリット・デメリットを解説

遮音性が高い

石膏ボードと比較すると、モイスは石膏ボード2枚分の遮音性能があります。

これにより、外からの音を遮断し、室内の生活音を外に漏らさないので静かに暮らすことが可能です。

防火・耐火性能が優れている

モイスは国土交通大臣認定の不燃材料ですので、防火・耐火性に優れています。

また、無機質系材料を主原料としているので、煙・有害物質を発生しないという特徴があります。

地震に強い

耐力壁としてモイスを採用する場合、外からの衝撃を分散させる性能があるので、地震が起きた時の揺れを軽減させることができます。

シロアリ被害を防げる

モイスは、無機質系の材料でつくられているため、シロアリのエサになりません。

したがって、シロアリ被害にあいやすい木造住宅の耐力壁として取り入れることでシロアリ被害を軽減できます。

地球にやさしい

モイスは、天然のリサイクル素材で、工事現場で発生した端材は細分化して壁内部や床下に配置し、調湿材として活用できます。

また、モイスの原料であるバーミキュライトなどは、元々植物の生育を促進する園芸床土用資材として定評があり、仮に住宅が解体された後も、土に還すことができる地球にやさしい素材です。

 

フォレストブレスで使用する耐力面材は「モイス」「どんとパネル」など不燃性・透湿性・耐腐食性もあるため、耐震性だけでなく、快適で強い家をつくるために優れた素材を選んで使用しています。

自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

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モイスのデメリット

モイス デメリット

ここまで解説してきたように、たくさんのメリットがあるモイスですが、以下のようなデメリットがありますので、事前に確認しましょう。

  • ・費用が高額になりがち
  • ・重いので施工に手間がかかる

費用が高額になりがち

モイスは、他の壁材と比べ高額になりがちです。

あくまで目安ですが、一般的に壁材の材料単価を比較すると、以下のようになります。

モイス>合板>石膏ボード

モイスの調湿性能など付加価値を考慮して、導入するかを検討しましょう。

重いので施工に手間がかかる

重量があるモイスは、釘打ちの量も増えますので施工に手間がかかります。

また、耐力壁として採用する場合には、バランスの良い構造計算が必要になりますので施工会社の技術力が重要です。

壁材「モイス」についてのよくある質問

壁材「モイス」についてのよくある質問

最後に、壁材モイスについてのよくある質問をまとめましたので、マイホームの建築にモイスを取り入れることをご検討中の方は参考にしてください。

Qモイスの価格は?

モイスの材料価格は、910mm×2,730mmで8,000円前後が目安です。

もちろん、施工会社により価格は違いますし原材料高騰により値上がり傾向にありますので、あくまでも目安として参考にしてください。

Q壁倍率とは何ですか?

壁倍率とは、耐力壁の強さを示す数値で、壁倍率が1の場合、200kgf/mの耐力を持つ壁とされていて、この数値が大きいほど強い壁材と言えます。

モイスの壁倍率は、2.0~4.0ですから耐力性が高く、地震に強い壁材です。

Qモイスは内装材として使用できますか?

耐力面材として使用されることが多いですが、モイスは、モイスNT内装材、モイスTM耐力面材に分かれます。

両者は、かさ比重、曲げ強度、風合いが異なりますので、転用できないことに注意しましょう。

まとめ

今回は、天然由来の壁材であるモイスについて紹介しました。

高い耐震性など構造的なメリットと調湿性など室内環境を整える性能があるモイスを取り入れることで、快適に過ごせる家を実現できます。

費用が高額などデメリットもありますが、採用するメリットは大きいです。

今回紹介した情報が、「モイスを取り入れるべきか」お悩みの方の参考になれば幸いです。

 

私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。

木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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