自然素材の断熱材の魅力|メリット・デメリットや費用の目安・性能などを解説
「自然素材の断熱材の種類や性能はどうなの?」と疑問に思っていらっしゃる方へ。
自然素材の家を建てる際には、構造や外観・内装だけではなく断熱材も自然素材にこだわると、よりクオリティが高まります。
ただし、自然素材系の断熱材には、セルロースファイバーやウールブレスなどの種類があり、それぞれ性能が異なりますので注意が必要です。
今回は、断熱材まで自然素材にこだわった家づくりの施工実績が豊富な"フォレストブレス”が、自然素材の断熱材の特徴やメリット・デメリットなどを解説します。
断熱材にこだわることで、省エネ性と安全性を兼ね揃えた自然素材の家をつくれます。ぜひ最後までごらんください!
・自然素材の断熱材の種類やメリット・デメリットを紹介します。
・自然素材の断熱材は施工が難しいため、技術力の高い施工業者を選定しましょう。
・断熱材の種類によっては、内部結露対策、シロアリ対策が必要になることもあります。
Contents
自然素材の断熱材とは
自然素材の断熱材とは、その名のとおり、自然素材でつくられた断熱材のことを指します。
年間を通して快適に過ごせる断熱性能を高い家をつくるには、適切な断熱材の選定が重要なポイントとなりますが、断熱材には様々な種類があるのでそれぞれ性能が異なることに注意しましょう。
住宅の断熱材には、一般的に「グラスウール」「発泡ウレタン」などが使われますが、「セルロースファイバー」「羊毛断熱」などは、自然素材でつくられた断熱材です。
自然素材の断熱材の種類とメリット・デメリット
一口に自然素材の断熱材と言っても様々な種類があります。
ここでは、自然素材の断熱材と種類について解説します。
セルロースファイバー
セルロースファイバーとは、新聞紙を裁断し、ホウ酸を添加してつくられる断熱材で、以下のようなメリット・デメリットがあります。
〈セルロースファイバーのメリット〉
- ・断熱性能が高い
- ・地球にやさしい素材である
- ・調湿性能がある
- ・防虫効果がある
- ・防火性能が高い
特に、セルロースファイバーは、シロアリやゴキブリなどの外注から家を守る防虫性能があるので、木造住宅のようにシロアリ被害のリスクがある家におすすめです。
また、ホウ素系薬剤が配合されているセルロースファイバーは、難燃性が高いことが特徴的です。
一方で、セルロースファイバーには以下のようなデメリットがあることに注意しましょう。
〈セルロースファイバーのデメリット〉
- ・コストが高額になりがち
- ・施行に高い技術力が必要
セルロースファイバーは、施工が難しく、施工がきちんとしていないと経年により沈下するおそれがあるため、高い技術力のある施工業者を選定することが重要です。
以下の記事では、セルロースファイバーのメリット・デメリットなどを紹介していますので、ぜひごらんください。
>【断熱材】セルロースファイバーを選んで後悔しない?メリット・デメリットを解説
羊毛断熱
羊毛断熱とは、羊の表面を覆う毛である羊毛を使用した断熱材で、以下のようなメリット・デメリットがあります。
〈羊毛断熱のメリット〉
- ・断熱性が高い
- ・調湿性能がある
- ・健康的効果がある
- ・高い難燃性・吸音性・耐久性
特に、羊毛断熱の調湿効果により湿気を吸っても乾いた状態を維持できることが特徴的で、内部結露の防止効果があります。
〈羊毛断熱のデメリット〉
- ・コストが高額になりがち
- ・対応できる施工業者が少ない
羊毛断熱は、対応できる施工業者が少ないことがデメリットです。
以下の記事では、羊毛の断熱材のメリット・デメリットをくわしく紹介していますので、ぜひごらんください!
炭化コルク
炭化コルクとは、コルク樫の表皮を高温焼成形させた断熱材のことを指し、以下のようなメリット・デメリットがあります。
〈炭化コルクのメリット〉
- ・優れた断熱性能
- ・調湿性能が高い
- ・防虫効果
- ・環境にやさしい
- ・吸音性
コルクを廃棄利用することで生産できるので、地球環境にやさしい素材であることが特徴的です。
〈炭化コルクのデメリット〉
- コストが高額になりがち
その他の自然素材断熱材|フォレストボード、ウッドファイバー
フォレストボードとは、廃材扱いであった杉の皮を再利用した断熱材のことを指し、ウッドファイバーとは、針葉樹の間伐材を原料とする断熱材です。
ウッドファイバーは、防火性能を付加するために一定の難燃剤が含まれており、完全な自然素材とは言えないことに注意しましょう。
自然素材の断熱材のメリット・デメリット
ここまで紹介してきた自然素材の断熱材に共通するメリット・デメリットをまとめると以下のようになります。
自然素材の断熱材を採用するメリットは以下のとおりです。
- ・断熱性能が高い
- ・調湿性能がある
- ・安全性が高い
- ・地球環境にやさしい
自然素材ならではの調湿性能によるカビの発生・結露防止効果、シックハウス症候群、アレルギーのリスクの軽減など健康的効果が他の断熱材よりも優れている部分です。
次に、自然素材の断熱材の共通するデメリットは以下のとおりです。
- ・費用が高額になりがち
- ・対応できる施工業者が少ない
特に、自然素材の断熱材の施工には高い技術が必要とされるケースが多く、対応できる施工業者が少ないことがデメリットです。
また、断熱材をしっかりと敷き詰めることができないと、経年による沈下、隙間など断熱性が低下することがあるので信頼できる施工業者を選ぶことが非常に重要です。
“フォレストブレス”では、化学物質を含む接着剤を使用した合板や集成材、廃棄時に有害な物質は一切使いません。
断熱材についても人工的な化学物質を含まない「自然素材」にこだわります。
自然素材の断熱性能と費用の目安
調湿性能、健康面の効果など自然素材ならではのメリットは魅力的ですが、年間を通して快適に過ごせる家をつくるには、断熱材としての断熱性能が重要です。
また、自然素材のデメリットとして、材料費や施工費が高額になりがちなことがありますが、実際の費用は気になるところです。
ここでは、自然素材の断熱性能と費用の目安を紹介します。
自然素材の断熱性能
一般的に断熱材の性能は、熱伝導率と厚みで決まります。
熱伝導率とは、熱の伝わりにくさを表す数値で、熱抵抗値とは、熱伝導率と厚みから実際の熱の伝わりにくさを表す数値です。
以下の表は、自然素材の熱伝導率と熱抵抗値の目安となりますが、熱抵抗値については厚みによって変わりますのであくまでも目安として参考にしてください。
種類 | 熱伝導率(w/m・k) | 熱抵抗値(m²・k/w) |
---|---|---|
セルロースファイバー | 0.040 | 2.62 |
羊毛 | 0.039 | 2.30 |
炭化コルク | 0.039 | 2.30 |
高性能グラスウール | 0.038 | 2.80 |
※厚さ105mmの場合
このように、自然素材の断熱材は、断熱性が高いと言われる高性能グラスウールと比較しても同等の断熱性を備えていると言えます。
自然素材の断熱材の費用の目安
自然素材の断熱材の費用の目安は以下のとおりです。
種類 | 費用の目安 |
---|---|
セルロースファイバー | 2,000~6,500円/㎡ |
羊毛 | 2,000~3,000円/㎡ |
炭化コルク | 5,000円/㎡~ |
グラスウール | 700~1,200円/㎡ |
※上記費用はあくまで目安です。実際の費用は施工業者へご確認ください。
グラスウールと比較すると、自然素材系の断熱材の方がコストが高い傾向があります。
自然素材系の中では羊毛断熱材は比較的安価ですが、セルロースファイバーや炭化コルクは費用が高めです。
断熱材に自然素材を採用する際の注意点
最後に、断熱材に自然素材を使用する際の注意点について解説します。
内部結露に注意する
自然素材には調湿性能があるので、内部結露対策として有効であると言われていますが、自然素材だから結露しないというわけではありません。
「外部通気層を設ける」「地域の気候を考慮して結露計算を行う」など素材の特徴を理解した施工方法をする必要がありますので、自然素材の取扱いに慣れている施工業者を選定しましょう。
断熱だけでなく、気密性も重視する
年間を通して暮らしやすい家をつくるためには、断熱性と気密性をセットで考えることが大切です。
いくら断熱性を高めても、住宅に隙間が多いと外気の影響を受けやすくなり結果的に断熱ができないからです。
ただし、気密性を高めることで換気の重要性も増しますので、同時に家の中の換気設備についてもしっかりと対策するようにしましょう。
シロアリ対策が必要となる場合もある
例えば、ウッドファイバーはシロアリの好物である木材が原材料となるため、防蟻処理を施す必要があります。
まとめ
今回は、自然素材の断熱材について解説しました。
「調湿性能がある」「健康被害のリスクを軽減できる」など自然素材ならではの特徴は魅力的ですし、肝心の断熱性能も高いのでおすすめです。
ただし、自然素材の断熱材は施工が難しいため、自然素材の断熱材の取扱いの実績や経験が豊富な施工業者を選定するようにしましょう。
今回紹介した情報が、断熱材まで自然素材にこだわった家を検討中の方の参考になれば幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。