地震に強い家にするための耐力面材とは|「どんとパネル」「モイス」など種類、筋交いとの違いなど

 

地震に強い家にするための耐力面材とは|「どんとパネル」「モイス」など種類、筋交いとの違いなど|茨城|フォレストブレス

地震に強い木造住宅を建てるには、「耐力面材」「筋交い」などの耐力壁をバランスよく配置することが重要です。

安心・安全に暮らすためにも、耐力面材の役割や種類を知っておきましょう。

今回は、耐震等級3の地震に強い木造住宅の施工実績が豊富な"フォレストブレス"が以下のポイントを中心に耐力面材の種類、メリット・デメリットなどをくわしく紹介します。

 

このコラムのポイント

・耐力面材とは耐力壁に使われる面材のことです。

・耐力面材の種類やメリット・デメリットを紹介します。

・耐力面材の設置のポイントを紹介します。

 耐力面材とは

耐力面材とは、パネル工法とも呼ばれ、建物の構造部である柱・梁・土台などを面で支える面材のことを指します。

耐力面材とは木造住宅に必要な耐力壁に使われる面材

大きな地震が起きた時に、水平力が加わると柱・梁・土台が変形するリスクがありますが、このような変形に抵抗する壁のことを耐力壁といいます。

そして、耐力壁には「耐力面材」と「筋交い」があり、双方をバランスよく配置することで地震に強い木造住宅になります。

耐力面材と筋交いの違い

筋交いとは、柱と柱の間に斜めに木材を入れて構造を補強するもので、耐力面材が「面」で建物を支えるのに対し、「点」で支えるのが筋交いです。

耐力面材と比較して、材料費を抑えられるメリットがありますが、断熱材を充填しにくいことがデメリットです。

木造住宅の場合、在来工法(木造軸組工法)の住宅では、「筋交い」が用いられ、ツーバイフォー工法の住宅においては、「耐力面材」が使用されるケースが多いですが、両者を併用することも可能です。

 

以下の記事では、地震に強い木造住宅の特徴を紹介していますので、ぜひごらんください。

地震に強い木造住宅の特徴は?|耐震等級・耐震基準・建てる際のポイントを解説

耐力面材の種類

耐力面材の種類|茨城|フォレストブレス

耐力面材には、大きく分けて無機質系と木質系があります。

それぞれに、メリット・デメリットがあるため、ご自身の目標とするマイホームに合った耐力面材を選ぶことが大切です。

無機質系の耐力面材

無機質系の耐力面材には、モイス、ダイライトなどがあります。

種類 特徴
モイス ・消石灰・バーミュライト・珪藻土が原材料
・壁倍率:2~4
・ダイライトより耐火性が高い
・ダイライトより重い
ダイライト ・ロックウール・火山性ガラス質堆積物質が主原料
・壁倍率:2.5~3
・モイスより調湿性能が高い
・モイスより軽い

 

両者の共通のメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • ・調湿性能が高い
  • ・シロアリ被害を抑えられる
  • ・シックハウス症候群のリスクを軽減できる

 

無機質系の素材には、シロアリのエサとなる成分が含まれていないため、木造住宅のリスクの1つであるシロアリ被害のリスクを軽減できることがメリットです。

 

以下の記事では、「モイス」についてくわしく紹介していますのでぜひ、ごらんください。

>壁材「モイス」にデメリットはある?|メリット・特徴なども紹介

木質系の耐力面材

木質系の耐力面材には、以下のようなものがあります。

  • ・構造用合板:複数のベニヤを接着剤で接着したもの
  • ・MDF:木材チップを板状に形成したもの
  • ・OSB:木材の小片を接着剤と混ぜて熱圧成型したもの

 

木質系の耐力面材は、コストを抑えられる傾向がありますが、無機質系と比べて、「耐火性が低い」「シロアリ被害が0ではない」などのデメリットがあります。

どんとパネルとは

どんとパネルとは、国産無垢材でつくられた耐力面材で、以下のような特徴があります。

  • ・接着剤・化学物質を使用していない
  • ・壁倍率が高い

 

特に、細部まで自然素材にこだわった家づくりをしたい方におすすめの耐力面材です。

また、壁倍率:2.2~4.8、床倍率:2.8~3.5の耐力評価を得ているので、耐久性も安心です。

 

以下の記事では、自然素材の断熱材にこだわった家づくりのポイントを紹介しております。

>自然素材の断熱材の魅力|メリット・デメリットや費用の目安・性能などを解説

壁倍率とは

壁倍率とは、耐力壁の強さを表す指標のことを指し、数値が高いほど地震の横揺れに強いと評価されます。

単位は「倍」で最大値は5で、数値が高いほど地震に強い耐力壁になります。

 

フォレストブレスでは、気候に合った国産材と、耐震性に優れた耐力面材、繰り返す揺れに粘り強く耐える筋交いプレートの併用で耐震性の高い木造住宅を実現します。

住宅性能表示制度の耐震等級3を基本と考えていますので、お気軽にご相談ください。

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耐力面材のメリット・デメリット

耐力面材のメリット・デメリット|茨城|フォレストブレス

耐力面材には、耐震性の向上はもちろん、さまざまなメリットがあります。

耐力面材のメリット

耐力面材のメリットは、以下のとおりです。

  • ・耐震性が高い
  • ・気密性・防音性に優れている
  • ・断熱性が高い

 

特に、筋交いと比べすき間なく断熱材を施工できるので耐震性だけでなく、断熱性・気密性に優れた快適な住まいを建てられるのが耐力面材のメリットです。

耐力面材のデメリット

一方で、耐力面材には以下のようなデメリットがあります。

  • ・筋交いよりコストがかかる傾向がある
  • ・筋交いよりも重い
  • ・構造用合板は通気性が悪い

 

構造用合板は、通気性が悪いため内部結露を起こしやすい傾向がありますが、無機質系のモイスなど通気性がある耐力面材もあります。

耐力面材の配置のポイント

耐力面材の配置のポイント|茨城|フォレストブレス

耐力面材や筋交いは、やみくもに増やせば耐震性が高まるわけではないことに注意しましょう。

「配置のバランス」「壁量計算」「構造計算」など総合的な観点から検討することが重要です。

耐力面材の配置のバランス

地震が発生した場合、建物は横揺れ・縦揺れなどさまざまな方向から強い力が加えられます。

「耐力壁が一ヵ所に集中して配置されている」「上下階の位置が揃っていない」など耐力面材や筋交いのバランスが悪いと建物がねじれに耐えきらず、倒壊するリスクがあります。

耐力面材の量

「壁量計算」「構造計算」を行い、耐力面材の量を確保することが重要です。

設計上の耐力壁の量が必要壁量よりも多いかどうかを「壁倍率」を使って算出します。

耐力面材についてのQ&A

耐力面材についてのQ&A|茨城|フォレストブレス

最後に、耐力面材についてよくいただく質問と回答を紹介します。

普通合板は耐力面材として使用できないのはなぜですか

一般的に、普通合板は家具内装用、構造用合板は建築工事用として用いられます。

普通合板と構造用合板の大きな違いは、以下のようなものがあります。

  • ・接合部分の耐久性
  • ・強度
  • ・耐水性

 

上記のような違いから、構造上、重要な壁に使われる耐力面材には構造用合板を用いるのが適しています。

筋交いと耐力面材は併用できますか

結論から言えば、筋交いと耐力面材を併用することで壁倍率を高められます。

ただし、以下のようなデメリットがあることに注意しましょう。

  • ・耐力壁が厚くなることで、居住スペースを圧迫する
  • ・工事費用が高くなる

まとめ

今回は、耐力面材について紹介しました。

耐力面材には、さまざまな種類があるため、ご自身に合ったものを選びましょう。

自然素材にこだわった家づくりをしたいモイス」「どんとパネルなど耐力面材も自然素材にこだわると、クオリティの高いナチュラルな家に仕上がります。

今回紹介した情報が、耐力面材にお悩みの方の参考になれば幸いです。

 

私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。

木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。

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著者情報

渡辺 勉

渡辺 勉渡辺⽊材株式会社(フォレストブレス)代表取締役

⽊材会社として⻑年⽊に携わってきた経験を⽣かし、⾃然素材の家づくりを⾏っています。
アレルギーやアトピー、喘息の原因となる化学物質を含む接着剤を使用した合板・集成材、防蟻防腐剤注入土台、グラスウール、ビニールクロス、そして廃棄時有害なものは使いません。
⽊の特性を⾒極め、適材適所に活⽤できるノウハウを持ったわたしたちと本物の⽊の家をつくりませんか。

保有資格
  • 二級建築士

  • 茨城県木造住宅耐震診断士

  • 茨城県住宅耐震・リフォームアドバイザー

  • 福祉住環境コーディネーター

  • 一級エクステリアプランナー

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