無垢材「ナラ」のデメリット|メリットや特徴・用途、オーク材との違いも解説
「ナラ」とはブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称であり、日本では北海道から九州まで分布しています。
無垢材の「ナラ」で後悔しないためには、メリットだけではなく、デメリットを踏まえて検討することが大切です。
今回は、国産無垢材を取り入れた家づくりにこだわる"フォレストブレス"が、無垢材「ナラ」のデメリットを解説します。
・無垢材「ナラ」の特徴・用途・価格をご紹介します。
・無垢材「ナラ」のデメリットとメリットを解説します。
・「ナラ材」と「オーク材」の違いをお伝えします。
Contents
無垢材「ナラ」とは
ここでは、無垢材の「ナラ」について以下の点から解説します。
- ・特徴
- ・用途
- ・価格
家づくりに無垢材の「ナラ」の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
特徴
「ナラ(楢)」とはブナ科コナラ属の落葉広葉樹の総称であり、以下のような木材が含まれます。
- ・コナラ
- ・ミズナラ
- ・アベマキ
- ・クヌギ
- ・カシワ
- ・ナラガシワ
「ナラ」は日本国内はもちろん、インドやロシアなど北半球に広く分布しています。
日本国内には樹齢800年以上のミズナラがあるなど、「ナラ」は長寿命で耐久性が高いのが特徴です。
なお、「無垢材」とは丸太から切り出して加工した一枚板のことで、接着剤などが使われていません。
用途
「ナラ」は高い耐久性を持っていることから、以下の用途に使用されます。
- ・家具
- ・天井材
- ・建具
- ・床材
- ・船舶
- ・洋酒樽 など
「ナラ」は住宅の内装材だけではなく、船舶や洋酒樽など幅広く利用されています。
また、「ナラ」は耐水性・防虫性があるので、水回り周辺の内装材や家具として利用するのにも最適です。
木のぬくもりを感じる温かみのある家のつくり方を、以下の記事で解説しています。
>木のぬくもりを感じる温かみのある家のつくり方。外観・内装のポイントや施工事例を紹介
価格
無垢材の「ナラ」は他の木材よりも入手しづらいことから、価格は高い傾向にあります。
特に北海道産の「ナラ」は品質がよく、「ジャパニーズオーク」と呼ばれており、世界的にも人気です。
「ナラ」をはじめとして広葉樹は太くて長い材料を確保しにくいので、サイズ次第では価格が高額になる場合があります。
また、木材の価格は木の種類だけではなく、グレード・規格によっても変化するため、注意が必要です。
無垢材「ナラ」のデメリット
無垢材「ナラ」のデメリットは、以下のとおりです。
- ・入手が難しく費用がかさむケースがある
- ・割れや反りが発生する可能性がある
- ・メンテナンスの手間がかかる
木材選びで後悔しないために、デメリットも踏まえて検討しましょう。
入手が難しく費用がかさむケースがある
無垢材の「ナラ」は、国内外に関わらず需要が高いので、費用がかさむケースがあります。
「ナラ」の需要が高い理由は、以下のとおりです。
- ・耐久性が高いので内装材として人気がある
- ・木目が美しく、家具材としても利用されている
- ・船舶や洋酒樽など、用途の幅が広い
- ・ナラ菌により枯損する「ナラ枯れ」が発生し、数量が減った
また、前述したように太くて長い材料は取りにくく、長さ180cm以上など希望するサイズ次第では費用が高額になる場合があるため注意しましょう。
割れや反りが発生する可能性がある
無垢材の「ナラ」は硬くて耐久性がある反面、伸縮性に欠けるため、湿度や乾燥による伸び縮みによって割れや反りが発生する可能性があります。
ただし、「ナラ」は他の木材と比べると比較的伸縮する幅が少なく、割れや反りが発生するリスクは低めです。
無垢材の割れや反りはDIYでも補修可能ですが、仕上げ方法や劣化の状態によっては施工業者に補修を依頼する必要があります。
メンテナンスの手間がかかる
「ナラ」に限らず、無垢材の美しさをキープするには、定期的なメンテナンスが必須となります。
「オイル塗装」「ラッカー塗装」「ウレタン塗装」など、無垢材の塗装方法によってメンテナンスの仕方も変わるため、注意が必要です。
なお、塗料は化学的なイメージがありますが、「ミツロウワックス」など自然素材の塗料も近年では注目を集めています。
あらかじめ施工業者にメンテナンスや日頃のお手入れ方法を聞いておくと、スムーズです。
無垢材のデメリットと対策については、こちらの記事で解説しています。
>無垢材のデメリットと対策を“木材選びのプロ”が解説|床・壁・天井・カウンター部位別の注意点
無垢材「ナラ」のメリット
無垢材「ナラ」のメリットは、以下のとおりです。
- ・非常に硬く耐久性がある
- ・虎斑(とらふ)の独特の模様が味わえる
- ・経年劣化による変色も楽しめる
- ・環境にやさしい
それぞれについて解説します。
非常に硬く耐久性がある
無垢材の「ナラ」は非常に硬く耐久性があり、きれいな状態を維持しやすいのがメリットです。
多少の衝撃であれば目立つような傷や凹みは発生しないため、お子さまやペットがいるご家庭でも、安心して利用できます。
また、「ナラ」は耐水性にも優れているので、水回り周辺の内装材として利用することも可能です。
ダイニングテーブルなど家具として取り入れる場合にも、「水に触れたらどうしよう」「傷がつきやすいから扱いにくい」といったストレスがありません。
虎斑(とらふ)の独特の模様が味わえる
無垢材の「ナラ」は、柾目(まさめ)に独特の模様である「虎斑(とらふ)」が現れるのが特徴です。
【柾目】
「柾目」とは、丸太の中心付近から垂直方向に切断した場合に現れる木目のことを指します。
【虎斑】
「虎斑」とは、柾目を横切る帯状の模様が、虎の縞模様に見えるものです。
虎斑は他の部分と光沢が異なり、角度によっては虎の毛のように銀色に輝いて見えるため、英語では「シルバーグレイン」とも呼ばれます。
虎斑は栄養を蓄えている部分に現れる模様であり、木材が「良質である証」です。
経年劣化による変色も楽しめる
無垢材の「ナラ」は、時間の経過とともに明るい褐色から味わい深い飴色に変わり、経年劣化による変色も楽しめます。
変色によって「アンティーク」や「ヴィンテージ」な雰囲気になり、重厚感や安定感が増していくのも魅力です。
ただし、メンテナンスを実施しないと、汚れが付着しやすくなるため、定期的にオイルを塗布する必要があります。
無垢床の経年劣化については、以下の記事で解説しています。
>無垢床は10年後の経年変化を楽しめる|メリット・デメリット、20年後も美しい無垢床にするためのポイントを解説
環境にやさしい
国産の「ナラ」を利用すると、輸送時に発生するCO2の削減につながり、環境への負荷を減らせます。
植林から伐採まで計画的に管理されている「ナラ」の木材を選べば、環境保全に貢献できるのもメリットです。
加えて、無垢材の「ナラ」が使用されている内装材や家具を適切にメンテナンスしていれば、短期間で交換する必要もありません。
"フォレストブレス”では、国産材を使った家づくりにこだわっています。
「国産無垢材を使用して家づくりを進めたい」と考える方は、木材のプロである"フォレストブレス”にご相談ください。
「ナラ材」と「オーク材」の違い
「ナラ材」と「オーク材」は同じブナ科コナラ属であるものの、以下のように産地に違いがあります。
種類 |
産地 | |
---|---|---|
ナラ | 日本・中国・ロシアなど | |
オーク | ホワイトオーク | アメリカ北部・カナダ |
レッドオーク | アメリカ東部 | |
ヨーロピアンオーク | ロシア以西のヨーロッパ |
「ナラ」と「ホワイトオーク」は見た目が似ていますが、年輪の間隔に違いがあるのが特徴です。
個体差があるものの、「ホワイトオーク」よりも「ナラ」のほうが目が細かくなります。
まとめ
無垢材の「ナラ」のデメリットとして、「入手が難しく費用がかさむケースがある」「メンテナンスの手間がかかる」などをご紹介しました。
一方で、無垢材の「ナラ」には高耐久などのメリットもあるので、メリット・デメリットを比較しながら家づくりを進めることが大切です。
今回ご紹介した内容を、「ナラ」の木材を利用するか検討する際の参考にしていただけると幸いです。
私たち"フォレストブレス”は、1934年に製材所として創業して以来培った知識と経験を活かして、快適で健康的な暮らしが実現できる住まいをご提案しております。
木材のプロとして、自然素材にこだわった事例を数多く手掛けていますので、お気軽にご相談ください。